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弾十六さん
平均点: 6.10点 書評数: 446件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.75 5点 影をみせた女- E・S・ガードナー 2020/01/31 00:14
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第63話。1960年10月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
スーツケースを持ったわざと身を飾らない女。秘書論が披露されます。60年代メイスンは、依頼人に対して、警察に嘘をつくな、という指示が多いようですが、弁護士の同席なしにしゃべるな、も健在。トラッグはしゃがれたがらがら声、とありますがTVのイメージの逆輸入か? オーランドという刑事が初登場、ホルコム出番なし。男の服にはポケットが多すぎる、という妻の苦情。「電話用の信用カード」というのは何だろう。テレフォン・カードみたいなのがあったのか? 法廷は検屍審、バーガーが終盤に現れ、メイスンを窮地に追い込もうとしますが、結局逆転されて爪を噛みます。シリーズ初、メイスンの最終弁論が披露されます。本作も冗長なところがありますが、解決があまり複雑じゃないので、前作よりスッキリ感ありです。銃は38口径の拳銃が登場、詳細不明です。
(2017年5月13日記載)

No.74 4点 瓜二つの娘- E・S・ガードナー 2020/01/31 00:05
ペリーファン評価★★☆☆☆
ペリー メイスン第62話。1960年6月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1960-6-4〜7-23)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の11作目。ガードナー爺71歳の作品、メイスンも60年代に突入です。
再婚家庭の朝食の風景、父の失踪、メイスン登場は第2章から。嘘発見器、クレジットカードが初登場。勝手にドアを開けて入ってくるトラッグ、でもペリーと呼び親愛の情を示します。(メイスンはアーサーとは呼ばないのですが…) 昔と違い、メイスンは逮捕された被告に検察側の抵抗なく会えます。法廷シーンは予備審問、終盤にバーガーが登場し判事が驚くルーティン、バーガーは赤くなって怒り、ドレイクを脅しつけ、メイスンを証人席に呼びます。解決は複雑でスッキリ感もありません。全体的にスピード感が欠けており、冗長なやりとりが多い印象です。何かピントがぼけた感じ。
(2017年5月13日記載)

No.73 5点 待ち伏せていた狼- E・S・ガードナー 2020/01/30 23:59
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第61話。1960年1月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1959-9-5〜10-24)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の10作目。ガードナー長篇100冊目を記念する本書の裏表紙には面白い図が載っていて、ガードナーの本(1億1千万部)を積み上げた1397200メートルを、エベレスト、エンパイヤステートビル、エッフェル塔の高さと比較しています。(原作本のカバー裏がそうなっているようです)
車の故障、送り狼、メイスン登場は第3章から。すぐに殺人が発覚し、メイスンは危ない偽装工作をたくらみます。トラッグ相手に秒単位の作戦、ホルコムは出番なし。白髪混じりのトラッグ、老けたせいかいつもの鋭さに欠けます。電話ではメイスンと穏やかに会話するバーガー、予備審問では打って変わって牙を剥きメイスンを懲らしめようとしますが、攻撃をかわしたメイスンは何とか真相を突き止めます。解決は鮮やかさに欠ける感じ。
(2017年5月7日記載)

No.72 5点 歌うスカート- E・S・ガードナー 2020/01/29 00:14
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第60話。1959年9月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
黒いストッキングと悪巧みの相談、メイスン登場は第2章から。判例をスラスラと暗唱し、相手を打ちのめしますが、策略はブーメランとなり結局メイスン自身を破滅に追い込みます。メイスンは若い女好きを自白。法廷は予審、バーガーがメイスンを磔にしようと頑張りあと一歩のところまで行きますが、土俵際で返され幕。事務所のドアにある「弁護士」のペンキ文字は今回も安泰です。
銃は.38口径スミス&ウェッソン リボルバー、シリアルC48809が登場。このシリアルはKフレームfixed sight1948-52年製Military&Policeですね。(同一番号の銃は今回でシリーズ3回目) メイスンの金庫には依頼人からとりあげた(surrendered)ピストルが相当数あり「警官用に準じた(one of a police models)」2.5インチ銃身の.38S&Wスペシャル、シリアル133347が登場。頭文字無しの数字だけのシリアルは1942年以前、この番号なら.38 Special Military & Police M1905 1st or 2nd changeで1908-1909年製くらいか。
文庫巻末にはお馴染み「があどなあ・ほうだん/3」今回のテーマは「異議あり」
(2017年5月6日記載)

No.71 6点 死のスカーフ- E・S・ガードナー 2020/01/28 23:53
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第59話。1959年6月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評を手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1959-5-2〜6-20)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の9作目。原題Mythical Monkeysは日本の三猿(みざる、きかざる、いわざる; see no evil, hear no evil, speak no evil)
謎の女性作家と美人秘書、メイスン登場は第4章から。メイスンが死体を発見する確率は50%とのトラッグ予想。レストランの席を予約したら事が起こって何度も食事おあずけの三人。法廷シーンは予審、異例の展開に判事も困惑、メイスンは上手く立ち回り、バーガーの告発をかわし、事件を解決します。今回はホルコムの出番なし、トラッグが優秀さを見せつけ、判事にも賞賛されます。本作が第4シーズンの最高傑作のような気がします。
銃は「22口径のライフル銃」が登場。ただし「22口径長距離ライフル」「22口径の長ライフル銃」と銃の種類のように翻訳されているのは弾丸の名称(.22Long Rifle)です。一般的には22LR、22ロングライフルと表記。この弾丸を発射出来る拳銃(コルト ウッズマンなど多数)もライフル銃もありますが、ここに出てくる銃は翻訳通り「ライフル銃」です。
宇野訳「22口径の、高性能を持つ銃でした。ふつうに、22口径長距離ライフルといわれているものです。(A twenty-two-calibre, high-velocity bullet of the type known as a long-rifle.) [試訳: 22口径で、ロング・ライフルという種類の高速弾でした。] 22ロング・ライフル弾には装薬量によりSubsonic, Standard-velocity, High-velocity, Hyper-velocityという4種類がある。
自動車は4輪駆動のジープ ステーション・ワゴン、エンジン6気筒の最初のモデル(だとすると1949年製Willys Jeep Station Wagon 4x663?)
タイプライターはレミングトンとスミス コロナが登場。専門家はタイプされた文字を見ただけでメーカーや型式を判別出来るらしいです。
(2017年5月6日記載)

No.70 5点 恐ろしい玩具- E・S・ガードナー 2020/01/28 23:18
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第58話。1959年1月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1958-10-25〜12-13)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の8作目。連載中のタイトルはThe Case of the Greedy Grandpa。
子供を殴る父、子供を取り戻したい母、メイスン登場は第3章から。子供が沢山登場します。(読んだのは偶然5月5日こどもの日) 学校が全焼したと聞いた7つの子供のような喜び方ってESGもそっちの仲間だと思います。シリーズ初、デラのファンが登場、デラに会って感激します。メイスンとデラは赤ちゃんを借りて小芝居、二人は上等なミント・ジュレップを楽しみますが、まんまと尾行されちゃいます。裁判は予備審問、バーガーは他人がメイスンにしてやられ憤慨するのを見て思わずニヤリ、メイスンへの告発を手助けします。最後はネチネチ尋問と閃きで解決、結末はちょっと心配です。
銃は22口径オートマチック・コルト・ウッズマン、シリアル21323Sが登場。シリアルから2nd series 1948年製です。もう一丁、38口径ライトウェイト・コルト・リボルバーも登場。こちらは情報なし。コルト コブラでしょうか。
(2017年5月5日記載)

No.69 6点 カレンダー・ガール- E・S・ガードナー 2020/01/27 21:30
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第57話。1958年10月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
政治ボスと小さな事故、メイスン登場は第2章から。デラと食事中に邪魔されます。トラッグもメイスンと会食、地味な警察捜査のやり方で久しぶりに活躍、今回はホルコムの出番無し。メイスンはモデルの写真が大好き。法廷シーンはいつもの予審ですが、2回開かれるという贅沢仕様、いずれもバーガーがやり込められます。
銃は三年前に盗まれた.38口径コルト連発銃(revolver)シリアル613096が登場。トラッグ証言では「警察式として知られている型(the type known as a police model)」シリアルで調べるとOfficial Policeなら1937年製、Officer's Model Specialなら1950年製、Police Positive Specialなら1952年製が該当。(いずれも38スペシャル弾) Wiki情報ではOfficial Policeが最も多く警察機関に納入され、コルト社カタログ(1933年)によるとL.A.市警も正式採用だそうです。自動車はスマートなキャディラック最新型が登場。
(2017年5月5日記載)

No.68 5点 気ままな女- E・S・ガードナー 2020/01/27 21:21
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第56話。1958年5月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1958-2-1〜3-22)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の7作目。ヴァガボンドの衝撃的告白に打ちのめされる娘、運命に翻弄されます。メイスン登場は第2章から。むかしは帽子ピンが女の武器、今はアイスピックをハンドバッグに忍ばせるのが良い、という行動的な娘。恐喝者には平手打ちです。デラはミス・アメリカみたいな美人秘書だ、とホーカム(ホルコム)はお世辞、メイスンはミス・ユニヴァースと訂正。法廷は予備審問、メイスンはネチネチ尋問、バーガーは途中から参戦、目標は相変わらずメイスンの破滅。最後はメイスンの閃きで真相が判明します。判事は被告鑑別手続き(先入観を持たせた証人に被告が一人でいるところを見せ識別させる)が不適切だ、と検察側に反省を求めます。(似たような鑑別法がメイスン物では今迄何度も繰り返し描かれていますが、当時の実態がこの通りだとすると恐ろしいことですね…)
(2017年5月5日記載)

No.67 5点 長い脚のモデル- E・S・ガードナー 2020/01/27 21:12
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第55話。1958年1月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1957-8-10〜9-28)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の6作目。連載時のタイトルはThe Case of the Dead Man's Daughter。結婚祝いの定番は、電気コーヒー沸かし、ワッフル焼き器、電気シチュー鍋。メイスンとデラはルーレットごっこをするが目が出ず、トラッグと追いかけっこ。メイスンが拳銃を弄んでると、ホルコムがズカズカ侵入、トラッグはバーガーに毒づきます。陪審裁判では冒頭からバーガーがメイスンを陥れようとしますが、ガーティのおかげで閃くメイスン、事件を解決します。
銃は.38口径コルト「銃身のずんぐりした2インチ径の弾巣の探偵用」(snub-nosed, two-inch barrel, detective guns「銃身2インチ、スナブノーズ型のデカ用拳銃」)、Colt Detective Specialのこと? Colt Official Police等も候補ですね。
(2017年5月8日記載)

No.66 6点 大胆なおとり- E・S・ガードナー 2020/01/25 08:50
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第54話。1957年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Chicago Tribune-New York News Syndicate 1957-9-8〜10-19連載(日曜版?、The Proxy Murderの題で掲載) 委任状戦争、甘い女の声、メイスン登場は第2章から。『日光浴者の日記』での宣言通り、交通法規を守るメイスン、きっかけは交通係記者が公表したメイスンの無謀運転の記事だという。水着女の写真に興味を持ち過ぎたメイスンは腕を捩じ上げられて悲鳴をあげ、無理やり強いウィスキーを飲まされます。メイスンの乾杯は久しぶりのHere's to crime。エレベーター・ガールが読んでいたエロい(spicy)ペイパーバックは「明日はスモッグなし」(No Smog Tommorow)。スモッグはWikiによるとLAでは1944年から発生。ホルコムは出しゃ張りトラッグは控えめ。デラは事務所の新兵器、大きな電気パーコレーターでたっぷりコーヒーを入れ、ポールは油断のならない荷物を抱え込み、徹夜仕事で胃を壊します。法廷は陪審裁判、バーガーはいつもの空回り、一方メイスンはハッタリが見事当たり事件は解決。50年代後半の本シリーズは真相の複雑さが減り、スッキリとなった印象です。
銃は38口径スミス&ウェッソン製レヴォルヴァ、シリアルC48809、三年前の9月購入。このシリアルはKフレームfixed sightで1948-1952年製、該当銃はMilitary&Police。もう一丁の銃、38口径コルト製レヴォルヴァ、シリアル740818、1年半前に盗まれたもの。このシリアルはOfficial Police 1948年製かOfficer's Model Special 1950年製です。(同一番号の銃が『メッキした百合』にも登場)
なお14-15章「顔に栄養をあたえる」(feed one's face)は米俗語で「食べる」の意味ですね。(faceが口の意)
(2017年5月4日記載)

No.65 5点 叫ぶ女- E・S・ガードナー 2020/01/25 08:37
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第53話。1957年5月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
嘘が嘘を呼ぶのですが、お互いはどう思ってたのでしょう? 全体的に何かモヤモヤした感じの話です。ホルコムもトラッグも出てきません。バーガーの異常な復讐心だけが際立っています。(私怨たっぷりの行動を露わにし始めたのは「消えた看護婦」あたりからかなぁ) 一生懸命にデラを讃えるところが微笑ましい。
(2017年5月4日記載)

No.64 6点 運のいい敗北者- E・S・ガードナー 2020/01/25 08:28
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第52話。1957年1月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1956-9-1〜10-20)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の5作目。メイスンは匿名の依頼人から裁判を傍聴する役目で雇われます。轢き逃げ裁判で他の弁護士の反対尋問を見物。妥協せず戦うことの価値を説く、被告の叔父。人身保護に関する審理でメイスンは重要な争点を指摘し、陪審裁判では偽装を破れず追い詰められますが、閃きの一撃で鮮やかに解決します。遂にメイスンに勝てると見込んでわざわざ法廷に駆けつけたバーガー、真実が明らかになってもグズグズとメイスンの非行を非難する姿が哀れです。銃は.22口径の自動拳銃が登場、メーカー等詳細不明。なおThe Perry Mason Bookによると第12章に出てくる判例中の「クルーパ」はジャズドラマーのジーン クルーパだそうです。
(2017年5月3日記載)

No.63 6点 メッキした百合- E・S・ガードナー 2020/01/20 01:54
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第51話。1956年11月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
恐喝と美女、犯罪が起きた後でメイスン登場、第5章からです。
「ごゆっくりモテル」はStaylonger Motelの翻訳。刑事連は友好的なトラッグ(ただし「ペリー」とは呼ばない)と強引なホルコム。大陪審経由なので検察側のネタ不明状態で陪審裁判に臨むメイスン、更にバーガーは手の内を隠すため、冒頭弁論を棄権(先例の無い行為、と自ら言う) 被告に無能扱いされるメイスンですが、鮮やかな逆転劇を演出し事件を解決します。(性懲りもなく騙されちゃうのがバーガーです) 「犯罪に乾杯」が出てきますが、メイスンのセリフではありません。
銃は被告が5年ほど前に買った0.38口径のコルト六連発廻転拳銃、青っぽい鋼鉄製、シリアル740818が登場。シリアルからOfficial Police 1948年製かOfficer's Model Special 1950年製が該当。(よく似たシリアル704818のコルト製38口径リボルバーが登場するのは「怒った会葬者」、メイスンものには拳銃のシリアルの使い回しが結構あります)
(2017年5月3日記載)

No.62 6点 とりすました被告- E・S・ガードナー 2020/01/20 01:43
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第50話。1956年5月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1955-12-10〜1956-1-28)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の4作目。連載中のタイトルはThe Case of the Missing Poison。眠る女と医師の不気味な実験室から始まる物語、メイスン登場は第2章から。5ドルで子供たちを手なずけるメイスン。メイスンの乾杯は「健康を祝して」トラッグ久々の顔出し、嬉々として新聞発表をする「ホーカム」巡査部長はお馴染みホルコムのことですね。チョコレート・サンデーに抵抗できず肥りかけた20代の半ばすぎのガーティ。裁判の予想は10対1でメイスンの不利、バーガーは嵩にかかって攻め立てますが、メイスンの鋭い指摘でヘナヘナとなります。解決は鮮やかですが検察側が間抜け過ぎです。
銃は登場しませんが、レミントン製UMC16番と刻印された16ゲージの猟銃の弾が登場、散弾ですね。
(2017年5月1日記載)

No.61 6点 怯えるタイピスト- E・S・ガードナー 2020/01/20 01:37
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第49話。1956年1月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
フランス、イギリス、南アフリカ -- 国際色豊かな事件。完璧なタイピスト、消えた女、古風な手紙、宝石密輸事件が道具立てです。ロボトミー手術を受けた男が出てきたり、綱引き(7月4日に田舎町でやっているらしい)のコツが語られます。今回は被告側が反対尋問出来ない起訴陪審(grand jury「大陪審」と訳されることが多い)経由なので、何が出てくるか五里霧中で陪審裁判を迎えます。いやに自信たっぷりなバーガー、メイスンは焦りますが… ラストはちょっとどうかなあ、というややスッキリしない感じ。
ジャクソンとトラッグは名前だけ登場、二人ともしばらくご無沙汰です。
文庫版には「があどなあ・ほうだん/5」が付属、弁護士の秘密交通権についての解説があります。
(2017年4月30日記載)

No.60 6点 臆病な共犯者- E・S・ガードナー 2019/08/24 04:26
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第48話。1955年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
1954年から1961年まで毎年メイスン3作のペースが続きます。策略好きのメイスン、株主になり重役会に出席し、事件に巻き込まれます。メイスンの正式名にミドルネームはない。帽子掛の胸像は「グラッドストン」(原文でも誤記、正しくはブラックストーン) 。メイスンは誤魔化しをお膳立てし、ホルコムに死体発見をからかわれます。予審ではバーガーと対決、冒頭で無用の芝居気を除くようにと勧告されますが、上手く混乱を招きます。弾道検査の専門家レドフィールドはシリーズ2度目の登場。陪審裁判では追い詰められながらも見事な推理で鮮やかな解決を迎えます。(でも結末はどうなんでしょう)
銃はスミス&ウェッソン.38口径リボルバー銃身5インチ、シリアルS910684が登場。SシリアルはNフレームの銃(S&W.38/44か.357マグナム)のものですが、S333454までしか存在しません。(S91068の誤記だとすると1952-1953年製) 薬莢は.38スペシャル(この翻訳では「.38口径スペシャル」)のピータースとU・M・Cで弾丸は158グレイン。Peters Cartridge CompanyもUnion Metaric Cartridge Companyもレミントン傘下です。
(2017年4月30日記載)

No.59 6点 日光浴者の日記- E・S・ガードナー 2019/08/24 04:15
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第47話。1955年5月出版。Saturday Evening Post連載(1955-3-5〜4-23) ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。ちょっと変更。いずれ再読したらあらためて書きます。)
ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の3作目。トレイラー生活の裸体愛好家が依頼人。未解決の現金消失事件が浮上します。バーガーはメイスンを大陪審に召喚し証言させた上で、予審で偽証罪に陥れようとしますが、まんまとはぐらかされ地団駄を踏みます。解決はちょっと複雑な感じ。トレイラーは「去年の型の」25フィートのヒライヤ(Heliar 架空ブランド?)、車は黄色いキャディラックのコンバーチブルが登場。
唐突に安全運転宣言をするメイスン、初期の暴走ぶりと比べるとうってかわった態度。作者が誰かに言われたのでしょうね。
(2017年4月29日記載)

No.58 6点 色っぽい幽霊- E・S・ガードナー 2019/08/24 04:07
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第46話。1955年1月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
薄い唇の女が事件を持ち込みます。珍しく作中に日付と曜日が明記され(8月15日、日曜日)、これは1954年が該当します。高級ホテルで優雅な暮らしを楽しむストリート嬢。メイスンは今回も危ない橋を渡り、ホルコムの追求を上手く誤魔化します。予備審問が開かれず、大陪審経由の陪審裁判で五里霧中のメイスン、バーガーに追い詰められますが、ネチネチ尋問で活路を開き、判事に嫌われながらもなんとか真相を突き止めます。
銃は38口径スミス・アンド・ウェッスン社製連発拳銃、銃身2インチ、シリアルC-48809が登場。このシリアルはKフレームのfixed sightモデルで1948-1952年製を意味します。該当するのはミリタリー&ポリスですね。自動車はオールズモビルが登場。エアコン付きの車はまだ珍しかったようです。

No.57 6点 落着かぬ赤毛- E・S・ガードナー 2019/08/24 04:02
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第45話。1954年10月出版。Saturday Evening Post連載(1954-9-11〜10-30) ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。ちょっと変更。いずれ再読したらあらためて書きます。)
ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の2作目。冒頭から法廷シーンで、メイスンは新人のぎこちない反対尋問にアドヴァイス。デラは速記の代わりに録音スイッチを入れます。今回も危ない橋を堂々と渡るメイスン、勝手気ままなな行動に説教するデラ、でもメイスンはどこ吹く風です。予審では厳格な判事が法廷を仕切りますが、メイスン流にすっかり混乱、バーガーは苛立ちのあまり大統領暗殺を告発します。解決はかなり複雑。ラストはいつもの赤毛への偏見で幕。
銃は新製品Colt Cobra .38口径、2インチ銃身の6連発、シリアル17474-LWが登場。LWはlight weightの意味で、このシリアルだと1952年製です。コブラは1950年からの販売、作中でもその軽さ(アルミ合金で重さ19オンス)が話題になっています。車はフォードの新車が登場。

No.56 6点 駈け出した死体- E・S・ガードナー 2019/08/18 22:39
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第44話。1954年6月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
危ない橋を大胆に渡るメイスン、ここ数作、違法スレスレの行動が多くて嬉しいです。メイスンとデラは旅客機やチャーター機を駆使してカリフォルニア州を飛び回り、フレスノで非常に友好的なDAに出会います。予備審問ではそのDAと対決、協力して事件を解決に導きます。結末には「犯罪のために乾杯」が再び(ただし音頭をとったのはメイスンではありません)
(2017年4月26日記載)

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弾十六さん
ひとこと
気になるトリヴィア中心です。ネタバレ大嫌いなので粗筋すらなるべく書かないようにしています。
採点基準は「趣好が似てる人に薦めるとしたら」で
10 殿堂入り(好きすぎて採点不能)
9 読まずに死ぬ...
好きな作家
ディクスン カー(カーター ディクスン)、E.S. ガードナー、アンソニー バーク...
採点傾向
平均点: 6.10点   採点数: 446件
採点の多い作家(TOP10)
E・S・ガードナー(95)
A・A・フェア(29)
ジョン・ディクスン・カー(27)
雑誌、年間ベスト、定期刊行物(19)
カーター・ディクスン(18)
アガサ・クリスティー(18)
アントニイ・バークリー(13)
G・K・チェスタトン(12)
F・W・クロフツ(11)
ダシール・ハメット(11)