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りゅうぐうのつかいさん
平均点: 6.29点 書評数: 84件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 7点 夜よ鼠たちのために- 連城三紀彦 2016/11/29 16:53
いずれの作品も、最後まで読むと勘違いや誤認に気づき、意表を突く反転構造を持っていることがわかる高水準の短編集。
個人的には、「過去からの声」が一押し。

「二つの顔」
絵の中の理想の女に取り憑かれた画家の信じやすい性格を利用した犯罪。
冒頭の不思議な謎から物語に引き込まれる。
警察の○○のチェックがこんなにも杜撰だとは思えないけど。

「過去からの声」
誘拐事件のからくりに関する作者の斬新な発想に驚愕。

「化石の鍵」
新しく取り換えられた鍵を巡る謎。

「奇妙な依頼」
浮気調査を依頼された興信所の社員が、依頼者とその対象者との間で買収され、何度も寝返る話だが、最後に明らかとなる依頼理由の逆転には意表を突かれた。

「夜よ鼠たちのために」
医療過誤で妻を失った男が、医師たちに復讐する話。
最後まで読むと、あることに勘違いしていたことがわかる。
石津家のお手伝いさんが耳にした電話の会話内容が意味深長。
伊原が会議室に移動してからの最初の会話に矛盾があるのでは?

「二重生活」
男女2人ずつの入り組んだ恋愛模様。
最後の方になると、ある事柄を誤認していたことがわかる。
動機も対象も逆転する。

「代役」
パイプカットをした男性が、子供をつくるために自分と瓜二つの男性を妻にあてがうという奇妙な話。主人公が妻を殺そうとして現場に向かう場面になると、話があらぬ方向に変調し、いったいどうなっているのかと戸惑った。鏡を見ているような反転構造の真相。

「ベイ・シティに死す」
元恋人と弟分に裏切られ、無実の殺人の罪を帰せられたヤクザが復讐する話。
元恋人から、意外な真実を明かされる。

「ひらかれた闇」
麻沙先生の推理には、相当な飛躍を感じるが、犯人の犯行理由には作者らしい倒錯した論理が隠されていた。

No.1 8点 白光- 連城三紀彦 2016/04/01 19:21
事件そのものはシンプル。その背景に、過去の出来事、家族内の複雑な人間関係、裏切りと報復の連鎖がある。
後半は、各個人だけが知っている事実に基づく多重推理、多重告白の連続。芥川龍之介の「藪の中」を連想した。予想だにしていない人物の意外な告白もあって、意表を突かれた。
真犯人と言うべき人物は、想定外の人。エンディングも情緒があって、すばらしい。
ある意味では、「お互いに協力していないのにも拘わらず、全員が犯人」と言えるような物語。このような不思議なストーリーを実現させた作者の手腕に拍手。

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りゅうぐうのつかいさん
ひとこと
好きな作家
採点傾向
平均点: 6.29点   採点数: 84件
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