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江守森江さん
平均点: 5.00点 書評数: 1256件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.21 4点 綺想宮殺人事件- 芦辺拓 2011/01/03 15:58
私のHNの由来の半分である森江春策が登場している(無条件で1点加点しているのでゴメンナサイm(_ _)m)故に、ウンザリしながらも読み切ったのだが・・・(本質を読み取れたか甚だ疑問)
現代の奇書を目指した作品だから一般読者を寄せ付けなくて当たり前で、極々限られたファンから絶賛されれば作者の目論見は達成される。
しかし、一般読者が凄い作品だと騙されて購入したら悲劇でしかなく、古本屋も高価買取はしないだろうし、残念ながらゴミと化す。
この手の読者を置き去りにする作品は私的にはゴミだと思うし「絶対に購入してはいけない」と警告を書くしか為す術がない。

No.20 7点 十三番目の陪審員- 芦辺拓 2010/07/15 10:40
陪審制導入の噂と名作映画「十二人の怒れる男」へのリスペクトから、この作品は書かれた(同じオマージュ作品なら薄味な三谷幸喜「12人の優しい日本人」の方が好き)
近未来設定なので無用な蘊蓄は無いが、それでも芦辺拓は芦辺拓で、詰め込み過ぎでクドいのは変わらない。
逆に言うなら(ファンに限定されるが)濃密な読書が楽しめる。
陪審制は否定され、裁判員制度が導入された今でも、設定の妙やプロットは本格ミステリとして時代に流されないパワーがある。
つかみ所の無い名探偵・森江春策だが、今回は凄腕な弁護士として描かれ嬉しい。
好きだか芦辺作品を読むと疲れが襲ってくる(ユンケル飲んで読書に励むなんて・・・・)

No.19 4点 グラン・ギニョール城- 芦辺拓 2010/07/02 18:48
パチンコ屋の開店前の並ぶ時間の暇つぶしに読んだのが間違いだった。
影の薄い名探偵・森江春策に対して、作者の作品は何でこうも脂っこいのだろう。
作中作やらメタな構成やら相変わらずの詰め込み過ぎに、理解する事(&パチンコの利益追求)に追われて楽しめなかったのが正直な感想だろう。
もう少しアッサリ風味なら普通に再読すれば良いだけなのだが・・・・それにも躊躇いがある。
パチンコを含めた賭博を控え目にし、読書体力も鍛えられた今なら理解に追われずに楽しめるのだろうか?
※ボヤキ
森江春策に愛着を持ってしまったのが、そもそも間違いの始まりだったのかもしれない。

No.18 5点 歴史街道殺人事件- 芦辺拓 2010/07/02 18:33
この作品で、掴み所がない名探偵・森江春策が友人の江守君に似ていると感じた事に加え、後の推理クイズ作品でのトリックとアナグラムからHNを江守森江にした。
その意味で愛着のある作品なのだがミステリとしての内容がハッキリと思い出せない作品でもある。
よって、採点はミステリ3点に愛着2点で合計して5点。
再読してガッカリしたくない気持ちが、再読を躊躇わせる。

No.17 6点 真説ルパン対ホームズ- 芦辺拓 2010/07/02 18:18
作者は、博覧強記を売り物にしている為なのか、オリジナル設定な作品は脂っこくクドい欠点が目立ち、緩めなミステリ・ファンから敬遠されがちで多くの読者を逃している。
しかし、ミステリの先人に対する‘愛’は本物で、その意味で独自性を抑え込んだパスティーシュ作品に限っては弱点を解消している。
しかも、パスティーシュ作品に絶対必要な各・名探偵に対しての中立姿勢も堅持し万人が楽しめる。
あとは、読者の側が元ネタ共々楽しめばよいだけだろう。
※元ネタとセット収録した作品集だったら出版姿勢に敬意を込めて満点にしただろう。

No.16 6点 少女探偵は帝都を駆ける- 芦辺拓 2010/02/28 05:10
平田鶴子&宇留木昌介シリーズ第二弾。
細々と長期間に渡り書き貯め戦前の大阪を描いた6短編に、時系列的にはシリーズ終了を匂わせる修学旅行編の中編を纏めた連作集。
虚実取り混ぜた登場人物、時代背景に根差した動機、当時の最先端技術を逆手に取るハウダニット、映画・お笑い・探偵小説等への‘愛’に溢れた蘊蓄、冒険活劇の装いと本格ミステリとしての技巧、等々盛り沢山。
一方で、独特の読み辛さと作者のイジワルさが滲み出た表現が相まってもいる(この点のみ、どうにも好きになれない)
作者らしさ全開のバタークリームの如き作品で、好きならば濃厚さを満喫出来る。
あとがきにもある某作(田**文・梅*シリーズ)との被りは、本格ミステリ風とドタバタ風な見せ方の違いを比較でき、かえって楽しめた。
※余談1
好きな方は「小説宝石」(‘09・12月号)に掲載された平田鶴子・お婆ちゃん探偵の短編もどうぞ!
※余談2
戦前生まれの老人に「きゅうじょうで天皇陛下が云々」との話をされ‘きゅうじょう’って?と疑問だったが、この作品できゅうじょう=宮城(昔の皇居の通称)だと分かりスッキリした。

No.15 6点 殺人喜劇のモダンシティ- 芦辺拓 2010/02/27 00:11
昨年出版された「少女探偵帝都を駆ける」の予習として再読した。
平田鶴子&宇留木昌介シリーズ第一弾(もっとも、長編は本作のみで短編集も「少女探偵~」の一冊きり)
主人公達は、森江春策シリーズにもチョイ役で偶に登場するが、時代設定の関係で老人になっている。
冒険活劇風な作風でも独特の読み難さがあり作者が一般受けしない理由が垣間見える。
更に本格探偵小説‘愛’がほとばしり、詰め込みすぎで読書体力を要する。
戦前の大阪と探偵小説に興味を持てないとモタレて消化不良になりかねない。
それでも、好きな人にはフォアグラの様なもので至福の時間を得られる。
好き故に、作中で「犯人は早い時点で登場させる云々」と宣いながら実践し、見事に伏線回収(特にスクラップ)しつつ論理的に詰める展開を楽しめた。
※余談
それでも読書時間が限られていた約15年前の初読時にはモタレてげんなりした記憶がある。

No.14 5点 電送怪人- 芦辺拓 2009/08/01 18:45
乱歩の少年探偵団を森江春策版にしたシリーズ三作目。
タイトルからして乱歩的ムードが漂いワクワクする。
現状の最終話なだけに森江春策の名探偵らしさに溢れファンには嬉しい。
子供と一緒に読書して森江春策の気分を味わってみてはいかがだろう。

No.13 4点 謎のジオラマ王国- 芦辺拓 2009/08/01 18:38
森江春策を明智小五郎に見立てたシリーズの二作目。
大人向け、子供向けに関係無く今回の設定は使い回し感があって好きになれない。
シリーズの企画はミステリの読者拡大に一役かっていると思う。

No.12 5点 妖奇城の秘密- 芦辺拓 2009/08/01 18:33
大乱歩の少年探偵団を念頭に置きながら書かれた現代の少年向け探偵小説。
トリック面などは読者層を意識して本来の作品ほど難しく入り組んでいない。
そして、なにより森江春策が大人向けと違いカッコいい。
助手の新島ともかとデキチャッテル感が子供向けなのに強い辺りが作者らしい。

No.11 4点 殺しはエレキテル 曇斎先生事件帳- 芦辺拓 2009/06/03 10:25
懐が深く、色々な試みに挑戦している作者だが当たり外れは当然ある。
この手のユルい作品では作者の本領は発揮されないと思う。
どうでもいい蘊蓄だけが蓄積する。

No.10 4点 月蝕姫のキス- 芦辺拓 2009/06/03 10:16
ヤングアダルト向けを意識し過ぎた感あり。
本格部分はあっさりで活劇部分も・・・
シリーズ化を意識したキャラ設定で、初回なので自己紹介しました的作品。

No.9 6点 時の誘拐- 芦辺拓 2009/05/23 18:39
作者の分岐点に位置する大作。
やや詰め込み過ぎの為に森江シリーズのファン以外が読むと胃もたれしそう。

No.8 6点 明智小五郎対金田一耕助- 芦辺拓 2009/05/23 18:34
作者の先人達への思いが伝わる。
こうした作品は書いていても楽しいだろう。

No.7 6点 三百年の謎匣- 芦辺拓 2009/05/23 18:32
森江春策シリーズ
最後の解釈以外は個別の短編としても楽しめる二重構造だが・・・
もっと森江君に活躍してほしい。

No.6 5点 彼女らは雪の迷宮に- 芦辺拓 2009/05/22 09:32
これまた森江春策より助手の新島ともかのお転婆ぶりが読みどころな作品。
ミステリ的には既視感が拭えず水準レベルに届かないかも。

No.5 7点 少年は探偵を夢見る- 芦辺拓 2009/05/22 09:28
真っ先に私も少年時代に戻って探偵を夢見たいと思った。
つかみ所がなく、それ故に使い勝手の良い名探偵・森江春策らしく作風から設定までバラエティーに富んだ短編集。
大人向けでの森江春策は名探偵としては毎度カッコよさが薄く描かれ残念でならない。

No.4 7点 殺人喜劇の13人- 芦辺拓 2009/05/22 09:24
少々の読みにくさを我慢すれば初代鮎川賞に相応しい作品。
森江春策に魅せられて随分と時が流れた。

No.3 6点 怪人対名探偵- 芦辺拓 2009/05/22 09:21
森江春策を現代の明智小五郎にともくろんだ作品。
乱歩の通俗物が好きなら満足できる出来。
作者の作風からか少々スッキリ感に欠ける印象が残念。

No.2 6点 千一夜の館の殺人- 芦辺拓 2009/05/22 09:19
森江春策より助手の新島ともかが魅力的(+1点)
作者が最近好きな手口が使われファンには犯人に到達し易い弱点がある。
本格ミステリと通俗探偵物の現代での融合を試みたが成功とまでは言えない。
つかみ所の無い森江春策シリーズらしい作品で、相変わらず詰め込み気味な所が長所でも短所でもある。

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江守森江さん
ひとこと

※「読書(ミステリ)は趣味で娯楽」「相容れない主張(嗜好)は、どこまでも平行線」を標榜している。
※多くの作品に接する努力として、映像化作品で済ます等々、ファジーな方法を常に模索している(本質的...
好きな作家
高木彬光、天藤真、平石貴樹、古野まほろ (ミステリーに限定しなければ一番は梶山季之...
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