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mozartさん
平均点: 6.01点 書評数: 206件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.9 9点 忌名の如き贄るもの- 三津田信三 2022/02/03 16:45
ホラー&ミステリーの第一人者(?)とも言うべき著者の力量に改めて脱帽しました。「黒面」とか「碆霊」でちょっと?となっていたので今作の出来は嬉しい限りです。まだ読了してから間もないためネタバレせずにうまくコメントできないのでとりあえず採点だけ。

気になる点があったので再読しましたがやはり疑問な点。

(ややネタバレ)
先輩はともかく御母堂はそれで納得できたのでしょうか。
であるなら彼女のやったことの意味は…。余りに不憫(と思うのは彼女が「マトモ」だったと思いたいからでしょうかね)。

No.8 7点 碆霊の如き祀るもの- 三津田信三 2018/08/03 10:07
久々の刀城言耶シリーズ長編で、大いに期待して読みました。過去作と比べて迫力不足の感は否めませんが、ページが残り少なくなってからの七十項目におよぶ謎の羅列とか、くどいほど謎解きを試行錯誤で繰り返しながら真相に迫っていくシーンなどは、本シリーズの「伝統」はしっかり守られていると思います。
祖父江偲については、好みが分かれるところでしょうが(世の中には偲ファンもいるのでしょうが)、今作では本筋での絡みが(一点を除けば)言耶との「掛け合い」のみだったので自分としてはまぁ許容範囲内でした。

No.7 5点 黒面の狐- 三津田信三 2016/11/29 10:29
戦前から戦後にかけての炭坑関連の記述については、「幽女の~」の蘊蓄に比べるとそれほどくどくなく、比較的読みやすかったと思います。ただ、最後の「多重解決&棄却」は、やや「言耶シリーズの劣化版」の感が・・・。トリックもちょっとご都合主義ぎみだったし。肝心のフーダニットもひとひねりがあったとはいえ、その破壊力はイマイチでした。
とはいえ、久々に「言耶テイスト」を味わうことができたのも事実で、次作では是非とも「首無」を凌ぐような言耶ワールドを(もちろん言耶の「~の如き」シリーズで)現出してもらいたいものです。

No.6 2点 幽女の如き怨むもの- 三津田信三 2012/05/01 19:58
刀城言耶「~の如き」シリーズの長編ということで、非常に期待して読み始めたものの、これまでの作品に溢れていたホラー&ミステリー感がほとんどないと言うだけでなく、最終章に至って言耶によって提示される、「事件」に対するそれなりの「合理的解釈」にもいつもの切れ味がなくて、自分にとっては所謂「壁本」に近い作品だった、というのが正直な感想です。遊郭についての蘊蓄本として読むならばそれなりに興味深かったけれど、やはりこのシリーズとしては、「試行錯誤によってもたらされる多重解決やどんでん返し」は不可欠だと思います(「はじめに」でそうしたものは本作品には「何もない」と明言されていますが・・・)。この「~の如き」シリーズは、まだ、次作、次々作、・・・、と続くでしょうから(是非続けてもらいたいし)、たまには毛色の変わった作品もありなのかも知れませんが、自分としては次作に期待する、と言うことで。
あるいは、ひょっとしたら、何か重要なことを自分が見落としていたために低い評価としてしまっただけかも知れないので、是非、他の方の評価も知りたいところです。

No.5 5点 生霊の如き重るもの- 三津田信三 2011/08/31 22:06
図書館で予約後、暫く待たされた後、ようやくゲットして1日で読了。
中・短編集なので、驚愕の謎解きやカタルシスはそれほど望めないが、「密室の如き・・・」よりは楽しめた。
「死霊の如き・・・」例によって建物などの配置が文章だけでは分かりにくいが、ちゃんと見取り図もあって、その点は親切。ただ、あの殺害方法はちょっと確実性も低く、現実的ではないような・・・。
「天魔の如き・・・」最後の(お約束の)ホラー部分の出来はイマイチだと思う。
「屍蠟の如き・・・」最後の方でダミーの解を列挙して悉く否定していく様子が刀城言耶のいつものパターンとして楽しめる。
「生霊の如き・・・」中編。内容的にも一番充実している。最後の「解決」->「否定」・・・の繰り返しパターンもいつも通り。ただ、最終解があれだと、生霊の謎や恐怖が、実は・・・となってしまうのがやや残念かな。
「顔無の如き・・・」これも最後は上と同じパターン。ただ、最終解で、被差別者たちが、その暗い生い立ちのため、いくら常人と異なる感性を持っていたとしても、ちょっとあれはないんじゃないかな。それとも、まだまだ、そうした差別意識に基づく冤罪も普通にあった時代だ、ということなのだろうか(「狭山事件」のように)。

No.4 9点 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 2011/07/01 15:22
「ホラー&ミステリー」として率直に面白かった。結末でのサプライズも十分。

No.3 6点 凶鳥の如き忌むもの - 三津田信三 2011/07/01 15:13
自分の想像力が貧困なせいか、空間的な状況をイメージすることが難しかった(「首無し」もそうだったけど)。前半の雰囲気は非常に良かったけれど、あの「トリック」はいくらなんでもちょっと・・・。

No.2 7点 水魑の如き沈むもの- 三津田信三 2011/07/01 15:08
これまで読んだ「~の如き・・・」シリーズ長編の中では一番読みやすかったと思う。「ホラー」色は随分少ないけれど、最後の方で「謎」の列挙と「誤解答」の提示、そしてその「否定」の連続というパターンはいつも通り。後半、小夜子の身を案じながら読んでいたので、最後は安堵、かな。

No.1 10点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2011/06/28 21:18
自分が刀城言耶シリーズにハマるきっかけとなった作品。「~の如き」で最初に読んだ作品だけに印象が強いのかもしれませんが、他の「~の如き」に比べて頭一つ以上抜き出た傑作だと思います。残りページがあと僅かになった段階での急展開は、まさに「正統的」本格モノならでは、の醍醐味でしょうね。

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