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マニアさん
平均点: 6.04点 書評数: 169件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 4点 生霊の如き重るもの- 三津田信三 2011/11/19 20:53
刀城言耶、学生時代の事件簿。独特の民俗ホラーテイストは長編に比べるとややパワーダウンか?

『死霊の如き歩くもの』・・・最も魅力的なひとりでに歩く下駄の謎に対する解決が微妙だったので残念。
『天魔の如き跳ぶもの』・・・1話目のように屋敷の図面が欲しかったかな。真相にもがっかり。
『屍蠟の如き滴るもの』・・・お得意の一人多重解決にはやはり迫力を感じた。真相も前2話と比べ納得のいくものだったかな。
『生霊の如き重るもの』・・・旧家の跡継ぎ争いにドッペルゲンガーが絡んでいくという魅力的な物語。登場人物も自分好みの濃い人物が多数登場して楽しめた。
『顔無の如き攫うもの』・・・真相はかなり強引で苦しいところがあったと感じる。

No.10 5点 七人の鬼ごっこ- 三津田信三 2011/11/19 20:27
ホラー的な雰囲気も良かったし、物語の設定も面白いと感じた。
テンポも悪くなく、最後まで飽きずに読めた。

一人ずつ不審な死を遂げてゆく小学校時代の旧友達。その死者達に共通する電話の怪・・・。姿なき殺人者は誰なのか?
そして、主人公の少年時代の思い出の中で蠢く悪意・・・
と非常にワクワクしながら読み進むことができた。

ただし、その魅力的なストーリーとは裏腹に、結末は納得のできるものではなかったかな。
消化不良な感じがかなり残った・・・。

No.9 6点 作者不詳 ミステリ作家の読む本- 三津田信三 2011/01/26 15:54
非常に評価の難しい作品だと感じた。

読んだものに厄災をもたらす『迷宮草紙』という同人誌の謎を作家・三津田信三とその親友飛鳥真一郎が追うというストーリー。
2人が様々な怪異に見舞われながら、一週間というタイムリミットのある中で、『迷宮草紙』の一作一作を解決していくというミステリ&ホラー&サスペンス。

作中作設定の短編7つはどれもホラー、幻想系、本格ミステリとバラエティに富んでおり楽しめた。メタ要素の強い結末は自分好みではないが、かなり手の込んだ作品なので一読の価値ありだと思う。

No.8 6点 密室の如き籠るもの- 三津田信三 2010/01/13 23:34
刀城言耶シリーズ初の中短編集。密室あり、アリバイ崩しあり、凶器消失ありとバラエティに富んでおり、もちろんその全てに怪異な現象が絡むという、シリーズファンならそれだけでも納得の一作!

「首切の如き裂くもの」・・・凶器消失がテーマ、伏線張りは面白いと思ったが真相はイマイチ・・・。
「迷家の如き動くもの」・・・山の中で現れたり消えたりする不可解な家のなぞを解く。ストーリーは面白いがインパクトはそれ程でも。
「隙魔の如き覗くもの」・・・これが一番好きかな!!特殊な怪異体験を前提とした鮮やかなアリバイ崩しに満足!
「密室の如き籠もるもの」・・・密室がテーマ。途中の密室講義には辟易したが、二転三転するラストでのひっくり返り度では長編作に匹敵する。

No.7 6点 水魑の如き沈むもの- 三津田信三 2010/01/08 23:39
民俗ホラーとミステリの融合を謳う「刀城言耶シリーズ」の最新作!独特の世界観は健在でその面では楽しめた。一癖ある登場人物達もとても魅力的でみんないい味出してる!

水の神「水魑」を祀る、奈良の山中の村を舞台にした不可解な連続殺人がテーマ。雨乞いの儀式中、密室となった湖で殺された「神男」!次々に殺されていく儀式関係者。登場人物達の思惑も交錯し、謎が謎を呼ぶ・・・。そして、お決まりの2転3転するラストへ!!

と、確かにストーリーとしては面白いと感じたが、肝心の密室トリックに関しては見るべきところは特に無く、過去の長編に比べパワーダウンした感じに思える。シリーズものとしてのマンネリ感も多少伺えるかな(その点では、祖父江偲の登場機会増加は良かった!今後にも期待!!)。

No.6 5点 ホラー作家の棲む家- 三津田信三 2008/07/22 21:33
「呪われた家」に纏わるホラーミステリ。しかし、他の三津田作品に比べるとホラー分がかなり多めかな。

前半は特に山場がなく、くどくどしい説明が多くテンポも悪く読みづらかった。そこはデビュー作だから仕方ない気もするけど・・・。しかし、後半の一気に読ませる怒涛の勢いは流石。

ラストがよく分らなかったのが残念かな。

No.5 8点 山魔の如き嗤うもの- 三津田信三 2008/07/13 00:37
今、最も注目している作家、三津田信三の「刀城言耶シリーズ」の最新作。

人々から忌み山と呼ばれ、恐れられる山に隣接する集落が舞台。その忌み山での怪奇現象を全面に押し出した導入部分と、それに続いて起こる童唄に見立てられたおぞましい連続殺人劇。しかも今回は忌み山に纏わる金山伝説を巡って、登場人物の思惑が左右して・・・衝撃の結末に・・・。

読みごたえはあるが、謎解きはゴテゴテしすぎで分かりづらいかな。ホラー分もこれまでと比べるとやや影を潜めがち。
前作『首無の如き祟るもの』よりはパワーダウンしたきらいはあるが、近年出版されているミステリの標準は遙かに超越していると思う。

No.4 8点 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 2008/02/03 22:24
表紙の帯の「民俗ホラーと本格ミステリーが、驚天の結末に禍々しく結晶する!」という煽り文に偽りなし!!

因習にとらわれた閉鎖的な村、対立する2つの名門旧家
それぞれの陰謀を胸に蠢く登場人物と怪異な事件
憑き物筋の旧家に伝わる陰気な祭祀と過去に起きた不可解な事故(!?)
巫女、憑座、山神様、蛇神様、ナガボウズ、厭魅
生霊、神隠し・・・舞台設定にこれ以上何を望もうか!雰囲気、ストーリーともに秀逸な傑作。

ただ、賛否分かれる叙述の件に関しては自分も分かりづらいと感じた。伏線を指摘されてもピンとこなかった。少し残念・・・。

原書房のミステリーリーグの刀城シリーズは表紙のイラストが美しい!

No.3 6点 禍家- 三津田信三 2008/01/30 00:39
戦慄のホラーミステリ!
こてこてのホラーの中に、ちゃんと伏線を張り、しっかりとミステリもしている。「呪われた家」というありきたりのテーマだが、おどろおどろしい恐怖感、スリル、ホラーに付きものの思わせぶりなラストと堪能できた。

ただ、犯人は注意して読んでればすぐに分かるね。その辺はもっと工夫できたかも・・・。あと、伏線張りと伏線回収は上手いと思ったが、真相は予想の範囲内でありきたりだったかな。

No.2 6点 凶鳥の如き忌むもの - 三津田信三 2008/01/28 01:46
雰囲気は文句なし!
あくまでも本格ミステリを基盤に、民俗学とそれに纏わる怪異譚を絡めておどろおどろしい演出を醸し出せるのが三津田さんのホラーミステリの魅力でしょう!

しかし、メインの人間消失トリックは論理的に納得できたけど、現実的にはどうかなぁと。こういう発想は確かに凄いけど。

ホラー分が少々足りなかったのが少し残念。

No.1 9点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2008/01/07 02:09
当方、結構恐がりでホラー色全開の表紙を見て読む前は不安を感じたけど、ミステリを基盤にほどよくホラーのスパイスが効いていて物語の味は絶品だった。あのおどろおどろしい雰囲気は自分的にどストライク!!

序盤、人物描写と背景描写が乏しく物語世界に上手く入り込めなかったのと、全体的に主要人物の心理描写が多く、他の登場人物を掴みにくかったのが少し残念かな。
しかし、解決編以降の二転三転する息もつかせぬ展開はお見事。ホラーチックなラストも満足。傑作!!

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マニアさん
ひとこと
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横溝正史、綾辻行人、島田荘司、有栖川有栖、三津田信三・・・etc
採点傾向
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採点の多い作家(TOP10)
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森博嗣(10)
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