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[ 日常の謎 ]
夜の蝉
円紫さんと私シリーズ
北村薫 出版月: 1990年01月 平均: 7.22点 書評数: 27件

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東京創元社
1990年01月

東京創元社
1996年02月

双葉社
2005年06月

No.27 5点 ボナンザ 2020/09/03 22:41
独特の語り口と物語をどれだけ楽しめるかでしょうが、私にはやや冗長に感じられた。

No.26 7点 斎藤警部 2019/09/12 11:15


朧夜の底 7点
な、何この、痺れ止まらぬサドゥン・エンド。。 まさか 恋、なの(真相の背景が)?! と思ったらあんまりそっちは匂わせず邪悪系暗示の終結なのか。 最後に明かされる正子さん(主人公の友人)のモヤモヤした心理がとても、良い。

六月の花嫁 7点
唯一の不満、ではなく違和感は、苦味ってやつがまるで無いこと。 とは言え、ダークサイド排除で綺麗な日常ミステリをここまで完成させるのは素晴らしい。 これがもし佐野洋だったらあそこの部分は。。と余計なこと考えるのは私の悪い癖。

夜の蝉    7点
“これが最初で最後だろう” 。。。。。。 三作中もっとも心理の揺さぶりを含んだ、ミステリらしい作品。 真ん中あたりの、謎と、謎解きの予感のとこ、ちょっと鮎哲っぽいかも。 最後に明かされる’呼び名’は、分かりやすいからこそ(?)リドル放置のままで良かったような。。


いっけんこんなに淡いしゃぼん玉のような作品集なのに、一遍読み終えるごとに長い冷却期間を置きたくなる深みが各作に宿っているのは確かですね。 全体通して、ミステリ要素より文章世界のほうに魅了される度合いが高いというかそっちが手が早い気がするけど、やはり肩書はミステリが似合う。 作者の得意とするような日常的事象の謎解きが、実はその奥に潜んでいた凶悪意図によるなにものかの解決に寄与。。してこそミステリの本懐じゃないか? とも微かに思わなくはなかったが、日常の謎どうしでそういう二段階ないし多段階奥行き演出をキメてくれたらそれは素晴しかろう。「朧夜の底」にちょっとそういう要素があったが、一段めがいかにも弱い。 表題作はまた似て非なる。。。 いえこれ以上は言いません。

‘純ミステリとしての’ワンシーンから次のワンシーンに移るまでの間、かならずと言っていいほど物語が一服つく(タバコ吸うのではない)。 この一服の間が物語としてのみならずミステリとしても、透明で豊かなまあるい空気感をもたらしていると思います。 表題作なんかは、最後の長い長い一服が、効いているんだよな。。。




No.25 6点 take5 2017/01/29 18:52
刺激が少ないですが、
上質ななるほどがじわじわ来ます。
私文系で古典を多少学びましたので、
文中の詩歌等馴染みがありましたが、
人によってはいまいちかもしれません。

No.24 8点 青い車 2016/09/25 18:01
 ハート・ウォーミングなようでありながら、人間の綺麗でない部分まで描き出しているのがうまいですね。そういう意味では前作以上に読み物としての魅力がアップしているとも言えます。それでいて、どの話も論理的に妥当な着地を見せてくれる推理の醍醐味も味わえます。個人的ベストは『六月の花嫁』で、円紫師匠の人柄がにじみ出た好篇でした。「なぜそんなことまでお見通しなんだ?」と驚かせつつ、ちゃんと納得させてくれるのは見事の一言。

No.23 8点 ロマン 2015/10/21 10:44
日常の謎ミステリー。 『空飛ぶ馬』からはじまる「私と円紫さん」シリーズの第二作。『空飛ぶ馬』より、洗練されていて、読みやすくなっているように感じた。『夜の蝉』は3編収録されてるが、どれも伏線が非常に巧妙で、読後は爽快であったり、複雑で考えさせられるものもあったり。 どれも余韻が残るものばかりで、一日に一編ずつ三日かけて、丁寧に読んでいった。 ミステリーファンは好きになれる一冊だと思う。

No.22 8点 apurolateru 2013/02/16 22:29
このシリーズ、端正という言葉がぴったりのシリーズなので、あっと驚くとか空前絶後の大トリックというものが好きな方には全く不向きです。
人の心のぞっとする面を取り出していて、それでも暗くならず読める良い作品だと思います。

No.21 6点 まさむね 2013/01/07 21:14
 前作に比して,「私」とその周辺人物にスポットライトを強く当てています。(その分,円紫師匠の出番は少なかったかな?)「私」の成長譚としても楽しめました。
 「ミステリ」というよりも,純粋な「小説」として読ませてくれます。特に,人間の悪意の描き方が深くて秀逸。勿論,ミステリとしての味付けがあるからこそ,際立つのでしょうが。
 私としては,前作「空飛ぶ馬」よりもこちらの方が好みかな。

No.20 6点 TON2 2013/01/07 01:41
東京創元社
 「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の3編。
 日常の謎を論理的に解き明かす形式で、身近で親しみやすい気はしますが、探偵役の噺家・円紫師匠の人柄と博識ぶりは尋常ではなく少し鼻につきました。
 内容が身近なだけに、主人公の女子大生の家族との関係や友人との関係、異性との関係、趣味などにせつない気分にさせられました。

No.19 5点 文生 2010/01/20 13:17
前作同様、趣味が渋すぎ、四角四面の語りがまじめすぎなヒロインが駄目でどうにも苦手な作品。小説としての完成度の高さは認めながらも、高い点数はつけづらい。

No.18 7点 vivi 2009/08/19 22:07
キャラ背景は前作で分かっていたので、
す~っと物語世界に入っていくことができました。
ミステリとしては日常の謎なんですけど、
非常にロジカルな展開が私ごのみでした。

血みどろの殺人事件がない分、話は平淡に進みがちですが、
それを補って余りある「物語力」を感じる作品です☆

No.17 7点 白い風 2009/08/01 20:34
作中にある噺(落語)や和歌・良寛の話など上手く使っていて、文学性が高い作品だと思う。
それに、友人・姉と<私>との関係も面白かったです。
作品の評価なら8でも十分いいと思うけど、ただ、このサイトなら評価を下げざる得ない気がします。

No.16 8点 あい 2008/06/10 16:38
六月の花嫁は謎の真相がすごく面白いと思った。このシリーズとの出会いに感謝。

No.15 5点 Tetchy 2007/11/24 18:21
日本推理作家協会賞受賞作ですが、私は第1作の『空飛ぶ馬』の方を推します。
根源的な疑問として、果たしてこれはミステリなのか?というのがどうしても引っかかってしまいました。
ミステリがメインではなく、「私」を取り巻く人々の物語が主題なので、推理小説とは云い難いと思います。
「日本推理作家協会賞受賞」の惹句がなければ、先入観なくもっと楽しめたかもしれません。

No.14 8点 北浦透 2004/11/10 15:27
初めて読んだときは、「六月の花嫁」で江美の心理が受け入れられなかったが、二年ぶりに再読すると、とてもスンナリとわかった。とても、まっすぐで、そしてさわやかな一品である。
しかし、表題作の「夜の蝉」はなんとも見事だった。こんなにも感動的な姉妹の物語だったとは。最初に読んだときは何を読んでいたのだろうと反省である。

No.13 7点 884 2004/01/26 18:47
 文句なしにおもしろいです。友人関係に閉じていた私の世界が広がっている感じですね。

No.12 7点 ギザじゅう 2003/01/04 23:33
『私』を取り囲む三人の女性達の造詣も深く、話がグッと深くなっているため『空飛ぶ馬』とは違う印象。
ただのミステリとしても充分おもしろい。

No.11 8点 フリップ村上 2002/07/17 22:44
全体の完成度では『空飛ぶ馬』に一歩譲るが、なんといっても白眉は『六月の花嫁』。
いったいなにが《事件》だったのかを明らかにすることが、《解決》と同義になっているという構成の妙。一聴すると時期外れに思える話題が実は……という挿話が、タイトルそのものと相まって、大胆不敵なまでの伏線となっているという語り上手。
日常生活系ミステリにおいて、北村薫がワン・アンド・オンリーの存在であることを、なによりも雄弁に語る一編ではないでしょうか。

No.10 8点 ケイスケ 2001/09/05 01:18
良い話でした〜。「六月の花嫁」、男の子の私が読んでも感動ものです。

No.9 9点 みづち 2001/07/24 15:45
誰にでも薦めたい一冊。

No.8 2点 ぼんち 2001/07/24 14:49
巧いだけのただ単に小さくまとまった作品。


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