皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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レッドキングさん |
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平均点: 5.25点 | 書評数: 818件 |
No.13 | 3点 | N・Aの扉- 飛鳥部勝則 | 2021/04/16 15:00 |
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フェデリコ・フェリーニ「8 1/2」や三島由紀夫「鏡子の家:創作日記」みたいに、「芸術する芸術家(要するにこの俺様)」テーマに半フィクション拵えちゃうと、どんな「手厳しい」自己批判・自己嫌悪も、所詮、自己陶酔・自虐的感傷の垂れ流しになる。ましてや、新人賞後翌年にこんなもん書いちゃあねえ。
数年・・十年になるか・・待ってはみたが、もう「電撃復活」ないと見限って、 私的、飛鳥部勝則ベスト3(4) 第一位:「殉教カテリナ車輪」 第二位:「誰のための綾織」 第三位:「ヴェロニカの鍵」 同三位:「レオナルドの沈黙」 |
No.12 | 7点 | 黒と愛- 飛鳥部勝則 | 2018/08/12 15:39 |
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SFホラー(「孤島の鬼」オマージュの様な化物改造フリークネタ)と本格ミステリと学園ダークラノベのごった煮。で、本格ミステリとしては、新旧二つの密室殺人トリックと犯人叙述トリックを含み、評価はこの部分。新事件の方の密室トリックはベタベタの機械トリックでいただけないが、旧事件の密室錯視トリックは素晴らしい。
※作者はこの作品を最後に 以降まとまった長編を出していない。筆を折ってしまったのかな、今何してるんだろ。 その全作品を二読三読している作家は、この人と麻耶雄嵩くらいだ。傑作「殉教カテリナ車輪」以来どの作品にも魅力と同時に嫌悪を感じてきた。実は小説としてはあまり好きでない。が、ミステリ、特にトリックに対する真摯で愚直な研究と描写(模倣とも言えるが・)にはとても魅かれる。 |
No.11 | 6点 | 堕天使拷問刑- 飛鳥部勝則 | 2018/08/07 14:30 |
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閉ざされた山村なのにデパートも喫茶店もある町。血塗られた蛮習とネット、悪魔と和風憑物、携帯と怪物蛇・カニ女が同居する世界。ホラーと学園ラノベとミステリの混在。その内、ミステリとしての評価・・二つの不可能犯罪と三つのアリバイトリック・・としては5点だが、胸キュンの終章に1点のおまけ。 |
No.10 | 2点 | 鏡陥穽- 飛鳥部勝則 | 2018/07/31 16:01 |
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お話としては面白くないことはない。グロいシュールレアリスムというかホラーSF劇画というか・・ただ、ここにミステリ要素を無理に見つけても せいぜい・・・ |
No.9 | 8点 | 誰のための綾織- 飛鳥部勝則 | 2018/07/26 22:01 |
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作中作「蛭女」と、それを囲むプロローグエピローグからなり、作中作の要点は 機械トリックをダミーにした和風「密室」心理トリックで、ここで終わっていたらせいぜい5~6点止まり。面白いのはプロローグエピローグで、工夫された叙述トリックと驚愕の最後の一行に2点も加点しちゃう。
※以上 二段階に語るべき観点のある作品だが、本当はもう一つある。これは作者にとって十作目になる作品で、あとがきで 誇らしげな自讃めいた事まで書いているのに、その後 「剽窃問題」から絶版となってしまった。記念碑が汚点となってしまい作者は無念だったことだろう。弁護して言えば、ミステリとしての要点は 作中作での剽窃云々とは関係なく光っている。 |
No.8 | 7点 | レオナルドの沈黙- 飛鳥部勝則 | 2018/07/25 12:02 |
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テレパシー連続殺人の本格トリックもの。島荘大技とまでは行かなくても中技トリック炸裂しロジック伏線もしっかりしている。仲間由紀恵「トリック」思い出す。 |
No.7 | 3点 | ラミア虐殺- 飛鳥部勝則 | 2018/07/21 18:09 |
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それまでの「絵画ネタ」を離れ ハードボイルド探偵の雪山屋敷ものかと思わせといて SFホラーに転調し 最後はビーストバトル少年マンガで終わる 一応フーダニットネタもある |
No.6 | 3点 | バラバの方を- 飛鳥部勝則 | 2018/07/19 07:12 |
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残酷な聖画に見立てた大量死体の展示。「蛇女の娘」など癖のある登場人物達。豪華で面白いがミステリとしての仕掛けはいまいち。 |
No.5 | 7点 | ヴェロニカの鍵- 飛鳥部勝則 | 2018/07/16 17:30 |
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密室だ、やっぱり本格ものには密室が出てこないと。その上、「終わりゆく青春」の文学がハードボイルドちっくに展開し苦く決まり、個人的にハマった。 |
No.4 | 3点 | 冬のスフィンクス- 飛鳥部勝則 | 2018/07/14 14:58 |
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夢の中でおこる「連続殺人」。現実と夢が錯綜して、「ミステリについて」の幻想小説が展開し「ドグラ・マグラ」して終わる。それはそれで面白いが、その中で純粋なミステリの部分を抽出して評価するとこの点数。 |
No.3 | 7点 | 砂漠の薔薇- 飛鳥部勝則 | 2018/07/12 14:42 |
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生首切断のフー・ホワイダニットを主題に、暗黒女高生ラノベのような展開が続いて、少しうんざりした頃に、終盤での怒涛の三段落ち ・・作中では「第八の解決」となるが・・面白い。
※2024/2/21 追記。このネタ「窮極の切断Why」かと。 |
No.2 | 6点 | バベル消滅- 飛鳥部勝則 | 2018/07/09 20:26 |
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謎解きで、作者に言われて読み返してみれば、確かにそのこと書いてはある、てレベルの叙述トリックと犯人指摘ロジック。良く練られたミステリだとは思う。が、読者の目を欺く表現手段だけとは言えない、作者の個性由来としか思えないニヒルなナルシズムがちとうざい。 |
No.1 | 9点 | 殉教カテリナ車輪- 飛鳥部勝則 | 2018/07/06 20:47 |
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「二ヶ所同時密室殺人」トリックの隠れた金字塔。手記叙述というところがまたうまい。
カーの「三つの棺」と並べてツートップで満点過大評価したいところだが、この作家、あまり好きになれないので、この点数。 (2021年追記) 物語の叙述者Aが「 」(=叙述)の中で矛盾・虚偽を記せば、ミステリとしてアウトだが、「 」の主体を巧妙にすり替えるのはトリック・・ヴァン・ダインには悪いが。 |