皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ねここねこ男爵さん |
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平均点: 5.66点 | 書評数: 171件 |
No.4 | 3点 | 奇面館の殺人- 綾辻行人 | 2018/01/18 21:22 |
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ん〜〜〜これはちょっと…
館シリーズもこの辺になると綾辻信者か余程のマニアしか手に取らないでしょうからこれでいいのかなぁとも思いつつ、信者以外を結構置き去りにしてる感じがします。少なくともファンじゃない自分はそう感じました。 以下ネタバレ含みます。 館シリーズは隠し通路や隠し部屋が定番であり、その存在を前提として読むものなんですが、他作品だと早い段階で露見したり本筋にあんまり関係なかったりするのに、本作は解決編まで待つ上にソレ無しでは犯行が成立しないかつそんなん推理できるか!と言うほど事件編で証拠が示されておらず、おまけにとてもご都合的なものなので、読者が向き合うべき謎が『何故仮面に鍵をかけたか?』のみになります。たまたまバイトが道を塞いだがたまたまソコをショートカットできる抜け道があってセーフってのはちょっと…。その抜け道が元々別の意図で作られたもので、それを巧みに利用したなら別ですが、バイトが通せんぼするのを回避するためだけに存在してますから…。書評で「館は密室があったら抜け道があると思って読むもの」と言うのがありますが、それなら密室が作中人物にとってのみの謎にしかならず意味がない上に、館初読者はふざけるなと思うでしょう。だったら最初から道をつなげておけば良い。長編の長さを確保するためのページ数稼ぎにしかなっていません。それとも「コイツら抜け道に気づいてねぇww」とニヤニヤしながら読むものなのでしょうか。 本編も余談も長すぎますし、最後の決め手もご都合に過ぎるというか、幸運な偶然に頼ったもので、論理の装いをした神視点です。探偵がチグハグさに違和感を覚える描写もロジカルさはまるでなく神視点描写(あるいは作者のエクスキューズ)でしょう。 二代目三代目も、鬼丸氏ほど有能なら数回食い違えば察して説明してくるでしょう。探偵サイドが館や主人について知識不足なのは認識している描写があるわけですから。登場人物も存在意義不明な人が多く、単に容疑者を増やすためだけとしか思えないです。 正直信者以外は読者として想定していない作品に思えます。初期の館シリーズはそこそこ面白いので、作を重ねるほど劣化するのは残念。 |
No.3 | 8点 | 時計館の殺人- 綾辻行人 | 2017/11/03 01:55 |
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館シリーズ最高傑作。
館シリーズにおける建造物のご都合主義的構造(隠し部屋隠し通路)はフェアな描写をされていながらあんまり好きではなかったが、本作はそういうこともなく派手な仕掛けを楽しめる。 発表当時のインパクトは十角館の方が上だったのだろうが、ミステリとしては本作の方がよく出来ている。 |
No.2 | 6点 | 水車館の殺人- 綾辻行人 | 2017/11/01 14:24 |
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犯人と大まかな仕掛けは構成からミエミエですぐに見当がつくので、その精度と、あとは「それ以外の要素」がどの程度か?と言うことになるかと思いますが、「それ以外」がほとんどなかったので…。そもそも舞台が水車館である必要がないでしょう(このツッコミは野暮だとは思いますが)。それからあくまでトッピング要素で本筋にはほぼほぼ無関係かつ充分に存在を匂わせてはいますが、やっぱり後出し隠し部屋は個人的に萎え要素です。
気に入ってるのは清純そのものの美少女が実はどうしようもないビッチだったというところw |
No.1 | 7点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2017/10/04 22:20 |
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良くも悪くも有名なあの一文に全振り。
読者が推理する楽しみはほぼゼロ。 信者の方々には申し訳ないが、この作品はそれなりに過大評価されていると思う。 実際、本作を読んで衝撃を受ける人って実はリアルタイム以外ではそんなにいないんではないかと思う。「あ、このパターンか」って。 ただ、大きな流れを生み出した功績は計り知れない。間違いなく。 |