皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
糸色女少さん |
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平均点: 6.42点 | 書評数: 159件 |
No.2 | 6点 | ヨハネスブルグの天使たち- 宮内悠介 | 2019/07/21 20:28 |
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近未来の五つの都市を舞台にした連作短編集。
どの地域もおのおのの事情によって紛争を抱え、人々は戦いと死が身近にある中で生活を営んでいる。 歌う少女ロボットが、それぞれの戦いでどのように使用されるかも読みどころだが、紛争や内戦の原因には現代の世界情勢が巧みに組み込まれ、「今ここ」で平和を求める人々の切なさはリアルに胸に迫る。 |
No.1 | 7点 | 超動く家にて- 宮内悠介 | 2018/06/24 11:38 |
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収録された16編は、いずれも律儀な筆致で書かれたバカバカしい作品で、その真面目くさったユーモアが素晴らしい。
例えば表題作は、出入り口の無い円筒形建築物で発生した殺人事件の謎に、探偵の「エラリイ」と「ルルウ」が挑むミステリ。定番の設定かと思いきや、この建築物は回転しながら、宇宙を飛んでいたことが分かってくる。おまけに乗組員がひとり増えていたり、人工知能(AI)が歌ったりと、ミステリやSFファンならニヤリとさせられるネタが満載。 全編を通じて伝わってくるのは風刺や批評ではなく、ただただ熱いナンセンス魂。知的興奮を味わいながら、大笑いすること間違いなし。 |