皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
いいちこさん |
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平均点: 5.70点 | 書評数: 525件 |
No.11 | 5点 | 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 | 2019/02/28 18:48 |
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二転三転するプロットに作者の苦労・工夫の跡が垣間見られるのだが、それがストレートに作品の面白さにつながっていない。 |
No.10 | 5点 | ふたたび赤い悪夢- 法月綸太郎 | 2017/06/16 21:57 |
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ご都合主義と評価するまでの悪質性はないものの、人間関係の設定や、登場人物の行動等にかなり無理があり、リアリティが感じられない。
また、ハッピーエンドの到来が、早々に、かつ濃厚に漂っていて、緊迫感に乏しい点でも減点。 悪い作品ではないものの、水準には達していない |
No.9 | 6点 | 二の悲劇- 法月綸太郎 | 2016/03/04 19:47 |
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明かされた真相と仕掛けられたトリックはシンプルで、男女の恋愛にまつわる悲劇を二人称叙述や日記を駆使して捻った異色のプロット。
ロジカルに真相に到達することが難しく、トリックがややアンフェア、真相に安易さを感じさせる面など、本格ミステリとして高い評価はできないが、プロットがキレイに収斂している点は評価。 執筆当時の作者の懊悩をそのまま反映したような叙述(とりわけ名探偵の存在意義を巡る箇所)、登場人物のきめ細かい心理描写は、あまり他作に見られないもので強く好感。 さまざまな意味で異色作であり、毀誉褒貶が分かれそうな作品だが、好意的に評価したい |
No.8 | 6点 | 一の悲劇- 法月綸太郎 | 2015/08/27 18:09 |
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登場人物が極めて少ないにもかかわらず、その大半に犯人と疑うに足る可能性を残しつつ、中盤にあからさまに怪しい人物を撒き餌として配し、最後にどんでん返しを連発。
犯行手順・トリックの鮮やかさ、ミスリーディングに導く手際のいずれもが巧妙。 プロットの性質上、腰を抜かすようなサプライズは演出できていないものの、水準を超える佳作と評価 |
No.7 | 6点 | 法月綸太郎の新冒険- 法月綸太郎 | 2015/04/24 14:43 |
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本作もクオリティの高いパズラーがズラリと並んでおり、相変わらず短編では群を抜く存在の著者。
真相の意外性では「背信の交点」「身投げ女のブルース」「リターン・ザ・ギフト」が上位。 ただし、「身投げ女のブルース」を筆頭に、ご都合主義の印象が強く、完成度としてはもう一歩。 |
No.6 | 6点 | 法月綸太郎の冒険- 法月綸太郎 | 2015/03/09 15:41 |
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「死刑囚パズル」「黒衣の家」「カニバリズム小論」はいずれもホワイダニットとして秀逸。
「土曜日の本」は謎に回答が与えられておらずミステリとしては未完成。 収録されている各作品のクオリティ、志向性の異なる作品を1冊の短編集としたことに起因するまとまりのなさ等、他の短編集よりもデキは確実に落ちる。 それでも長編作品を超えるクオリティを維持しているのは間違いない。 |
No.5 | 6点 | キングを探せ- 法月綸太郎 | 2015/02/09 16:39 |
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効果的な倒叙形式の活用、探偵の介入による軌道修正等、プロット全体の完成度は高い。
一見して叙述トリックとはわからないトリック等、随所で読者の誤認を突く巧妙な仕掛けが、非常にテクニカル。 ただ強烈な緊張感やインパクトには欠け、軽量コンパクトにまとまっている印象 |
No.4 | 8点 | 法月綸太郎の功績- 法月綸太郎 | 2015/01/26 11:16 |
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「都市伝説パズル」は世評が圧倒的に高く、短編のオールタイムベストで最上位の評価を受ける作品。
アイデアは素晴らしいが、残された手掛かりが強烈すぎるだけに却って犯人特定を容易にしてしまっているのが決定的に難点。 個人的ベストは「縊心伝心」。 些細な手がかりから、動機・犯行経緯まで明らかにするロジックは「スイス時計の謎」を彷彿とさせる美しさ。 「イコールYの悲劇」はテーマが指定されたアンソロジー収録の短編であるため、やや強引さが目立つが、水準を大きく超えるレベル。 大きく外した作品がない点も含め、短編集としては最高級の部類 |
No.3 | 5点 | しらみつぶしの時計- 法月綸太郎 | 2014/08/11 18:43 |
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表題作は短編のオールタイムベスト上位にランクインする世評の高い作品。
大いに期待して手に取ったのだが、ハードルは超えられなかった。 着想としては面白いものの、ある1点に着目すれば解けるパズルで、最大の難所である二者択一もお茶を濁して終了。 1,440の必然性もなし。 10編掲載されている短編のうち3~4編は水準以上であり、したがって短編集としても水準以上ではあるが、飛び抜けた作品はなく必読の域には達していない |
No.2 | 6点 | 生首に聞いてみろ- 法月綸太郎 | 2012/02/28 19:26 |
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首切りの理由、殺人の真相はよく考えられており、ロジックとしては斬新。
しかしロジックにこだわり過ぎるあまり、ストーリーテリングが平板かつ地味で盛りあがりに欠ける印象。 加えて主要キャラクター間の人間関係とそこに起こる事件、終盤の叙述トリック的な仕掛けに強くご都合主義を感じて減点。 |
No.1 | 6点 | 頼子のために- 法月綸太郎 | 2011/12/24 11:15 |
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手記の解析を通じて歪んだ家族関係をあぶり出すプロットはいい。
しかし最終盤でのメタミス的展開と探偵の行動に疑問。 読者を驚かせるための過剰サービスが裏目に出た感 |