皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1631件 |
No.16 | 5点 | 亜愛一郎の狼狽- 泡坂妻夫 | 2019/03/02 20:31 |
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(東西ミステリーベストの16位)
①DL2号機事件(4点)・・・奇妙な論理 ②右腕山上空(5点)・・・マジックショー的 ③曲った部屋(8点)・・・本格的 ④掌上の黄金仮面(4点)・・・勘違いされた男 ⑤G線上の鼬(7点)・・・雪密室 ⑥掘り出された童話(4点)・・・暗号 ⑦ホロボの神(5点)・・・文明の差 ⑧黒い霧(5点)・・・アリバイ バラエティに富んでいますが、これは!というような突出したものはなかった。著者の作品では幻想的な長編の方が好みですね。 |
No.15 | 4点 | 斜光- 泡坂妻夫 | 2018/06/08 17:38 |
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分類は官能ミステリーと言ったらいいのでしょうか(笑)。かなりの官能描写がありますので、その分ミステリー度が弱くなっている感じです。帯には本格推理小説とありますが、推理する要素はほとんどありません。真相もさてどうなんだろう?という程度でした。 |
No.14 | 4点 | 猫女- 泡坂妻夫 | 2018/06/07 12:30 |
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「黒猫」「モルグ街の殺人」のオマージュ作品であると思います。残念なのは、ヒロインとなるべき女性2人があまり事件に絡んでこなかった点、オカルト風味(黒猫の怨念)が伝わってこなかった点など、何かチグハグで中途半端な出来栄えという感じです。 |
No.13 | 6点 | 煙の殺意- 泡坂妻夫 | 2014/06/05 14:52 |
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①赤の追想~恋愛の機微とは?②椛山訪雪図~ダリのような騙し絵か?③紳士の園~浮浪者の死体までも片づけられる公園とは?④閏の花嫁~閏年の結婚式の意味は?⑤煙の殺意~火災と殺人の関連は?⑥狐の面~狐の憑き物の退治方法は?⑦歯と胴~完全犯罪成立か?⑧開橋式次第~15年前の事件とそっくりだが? ⑦が一番の好みですね。阿刀田高氏の最もお気に入りの作品(1978)と同じモチーフでした。氏のファンとしては、本作より1年前の発表でホッとしています(笑)。④はロアルド・ダールの「奇妙な味」的な雰囲気。②はダリの騙し絵が取り上げられていますが、マニアックな作品で同ファンとしては、おもわずニヤリとしてしまいました。短編は余程のインパクトのある作品でないと高評価は付けづらいので、やや辛目です。 |
No.12 | 7点 | 黒き舞楽- 泡坂妻夫 | 2014/01/07 18:33 |
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(ネタバレあり)裏表紙「謎と官能に彩られた男女の異形の愛を描き出した禁断の恋愛ミステリー」とありますが、異形の愛というより、異形の性の印象が強かったですね。小学生時代の出来事が、うまい伏線になっていました。浄瑠璃人形の因縁がうまく絡み合っていると思います。 |
No.11 | 7点 | 妖女のねむり- 泡坂妻夫 | 2013/12/31 09:59 |
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”わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。十五世紀のフィレンツェで巡りあったジュリアーノとシモネッタは悲恋に終わり、西原牧湖だった二十二年前のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの。今度こそ幸せになりましょう…。初対面のはずが深いところで響き合う真一と麻芸。前世をたどる二人が解き明かしていく秘められた事実とは。”・・・輪廻転生という幻想的な恋物語でもあるが、物語全体に仕掛けられた罠を評価したい。心中事件や殺人事件にかかるトリックは、二次的要素に過ぎないのではないかと思う。このような物語をよく思いついたものと感心する。作中に登場する作品「春」(ボッティチェリ~作中ではボッティチェルリ)は好きな絵の一つで服部まゆみ氏の「この闇と光」にも登場する。作品「シモネッタ」(当時の絶世の美女?~ダビンチも描いている)がヒロイン麻芸に似ていることから物語は始まる。シモネッタが「春」の女神フローラであるという説を作者は取っているが、諸説紛々である。この辺もミステリアスであります。 |
No.10 | 4点 | 奇跡の男- 泡坂妻夫 | 2013/02/15 22:01 |
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(タイトル・男⑦)短編5編です。表題作の発想は面白いと思いますが、全体に感心するものはありませんでした。 |
No.9 | 8点 | 11枚のとらんぷ- 泡坂妻夫 | 2012/12/15 15:28 |
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作中作である短編集「11枚のとらんぷ」は奇術のネタばれもあり楽しめました。そして犯人探しの伏線となっているところが構成の妙であり、至極感心しました。全体にユーモアがあり、ヒロイン牧圭子の扱いがうまいと感じました。そして、真相の逆転が一番のお気に入りです。この手の逆転劇は、直近では石持浅海氏の作品(2011)にありますが、中々珍しいような気もします。他に先行している作品もあるのかもしれませんが・・・。 |
No.8 | 5点 | 毒薬の輪舞- 泡坂妻夫 | 2012/11/17 17:48 |
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舞台設定はそれなりに楽しめたのですが、小技が多く、ややインパクトに欠けた感じがしました。子供の登場、毒薬となると、エラリー・クイーンの某代表作をイメージしてしまいました。 |
No.7 | 5点 | 死者の輪舞- 泡坂妻夫 | 2012/11/12 18:42 |
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ユーモア系の特異な刑事が登場するのですが、なんとなく馴染めない感じがしました。プロットは題名より解りやすいし、前例があるので驚きはありませでしたが、ラストにおいては一捻りがありました。 |
No.6 | 4点 | 花嫁は二度眠る- 泡坂妻夫 | 2012/09/26 12:48 |
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犯人が意外というほかは、あまり印象がないような作品です。アリバイトリックも驚くようなものはありませんでした。主人公(男)の行動(従妹との風呂場シーンとラストの教会シーン)は理解しがたいものでした。 |
No.5 | 7点 | 迷蝶の島- 泡坂妻夫 | 2012/08/23 21:18 |
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洋上でのサバイバル。ちょっとした手違いで結びついた男女。その二人の手記(1章・3章)と捜査官の報告書(2章)で構成されています。各視点での心理描写については、読み応えがありました。死んだはずの人物の登場は、幻覚?トリック?・・・また死亡者は他殺?自殺?の謎を抱えながら終章へ。登場人物が少ないので、ある程度は予想がつきやすいのですが、終章での真相(伏線はお見事)はわかりませんでした。 |
No.4 | 6点 | 花嫁のさけび- 泡坂妻夫 | 2012/02/15 21:28 |
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細かい伏線がちりばめられていたことが、解決編で丁寧に、また見事に説明されています。解説で、フェア・アンフェア(犯人が解らない?)に触れられていますが、まったくアンフェアとは思いません。私にとってアンフェアと感じるのは、犯人がほとんど登場しないような(描写されていない)作品ですね。 |
No.3 | 8点 | 乱れからくり- 泡坂妻夫 | 2012/02/09 15:03 |
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連続殺人の割には、緊迫感がやや不足しているのが残念ですが、意外性の面では、かなりの高得点に値すると思います。最後の章「笑い布袋」の天保銭のオチには、思わずニヤッとしてしまいました。 |
No.2 | 7点 | 湖底のまつり- 泡坂妻夫 | 2012/02/03 18:09 |
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夢落ち?幻想?と危惧しながら読みましたが、しっかりと騙されました。泡坂作品は「しあわせの書」しか読んでいませんが、作風が全く違う感じがして驚きました。本作品の方が全然好みです。現実味云々については、超自然現象、幻想、二重人格を扱ったミステリーよりもよっぽどリアリティがあると思いました。 |
No.1 | 6点 | しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術- 泡坂妻夫 | 2011/08/23 11:19 |
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高評価だったので、期待して読みましたが、あまり”ピン”ときませんでした。手品の種明かしをされたような気分です。(2016.5再評価 4→6 労力に敬意) |