皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
文生さん |
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平均点: 5.88点 | 書評数: 415件 |
No.6 | 9点 | 竜の眠る浜辺- 山田正紀 | 2022/08/21 07:54 |
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山田正紀の著作では『神狩り』と並んで一番好きな作品です。
人生に挫折した人々が町ごと白亜紀にタイムスリップしてそのなかで生きる希望を取り戻していく話なのですが、とにかく恐竜のいる日常が楽しげで読んでいてハッピーな気持ちになれます。山田正紀の長編小説でここまで明るくてユーモラスなのはこれくらいではないでしょうか? |
No.5 | 8点 | 火神を盗め- 山田正紀 | 2022/08/21 07:41 |
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落ちこぼれ集団が奮闘して大事を成し遂げるというベタな話ですが、SF作家ならではのアイディを盛り込んだスパイスリラーとしてかなり面白い作品に仕上がっています。落ちこぼれ社員たちが特技を活かして活躍するシーンが荒唐無稽ながらも楽しく、特に主人公とCIA工作員との対決は感動的ですらあります。山田正紀としては珍しくラストも爽やか。 |
No.4 | 5点 | 蜃気楼・13の殺人- 山田正紀 | 2021/08/25 05:10 |
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村おこしのマラソン大会で13人が忽然と消えたり、そのうちの一人が大木の枝に串刺しになったりと事件の謎自体はド派手で魅力的です。しかし、それに対してトリックがパッとしないのはいつもの山田ミステリー。その分、ホワイダニットに力を入れているのもいつものことですが、今一つ鮮やかさに欠ける印象です。つまらなくはないものの、全体としては竜頭蛇尾を絵に描いたような作品になっています。 |
No.3 | 9点 | 神狩り- 山田正紀 | 2021/08/24 18:14 |
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山田正紀が24歳の時に発表したデビュー作。
タイトル通りの内容ですが、特にスペクタルな展開があるわれでもなく、神自体も全く姿を現しません。それなのに、神の文字を解読しようとするエピソードだけで、これだけ面白い話を創り上げることができる事実に驚かされます。数ある著者の傑作群の中でも五指に入る名作です。 |
No.2 | 4点 | 僧正の積木唄- 山田正紀 | 2020/08/11 13:53 |
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― 僧正殺人事件は解決していなかった!アメリカに渡っていた金田一耕助けが真実を解き明かす!!
という非常にワクワクする内容なのに全然乗れなかったですね。 まず、山田正紀節と原典の雰囲気が水と油だし、本格ミステリとしてもこれといって魅力がない。 それに社会問題とかをこの題材に持ち込んでほしくなかったというのが正直なところ。 山田正紀自体は好きな作家なのだが、「桜花忍法帖」といい、パスティーシュ作品には向いていないと思う。 全部自分色に染めてしまうから。 |
No.1 | 4点 | ミステリ・オペラ- 山田正紀 | 2020/07/31 07:36 |
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『神狩り』や『宝石泥棒』といった著者のSF小説が大好きで、しかも、日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞のダブル受賞ということで大いに期待して読んだわけですが、どうにも良さが理解できませんでした。
個々のエピソードはそれなりに読ませるものの、「ミステリーの形を借りて描いた昭和史」というテーマ性がまったくピンとこなくて、最後まで物語に入り込むことができなかったのです。 本格ミステリとしては個々のトリックが凡庸すぎるということもあり、自分にとってはイマイチな作品でした。 |