皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ことはさん |
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平均点: 6.34点 | 書評数: 222件 |
No.4 | 5点 | ドイル傑作集1 ミステリー編- アーサー・コナン・ドイル | 2022/02/13 11:13 |
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本サイトに、本作の投稿がいくつかつづいたので、昔読んだ本を掘り出して読んでみた。
どの話も「つかみはOK」。なかなかそそられる状況設定の作品ばかり。 けど、評価が低いのもよくわかる。解決に至る段取りがほとんどないし、解決も尻すぼみなんだよね。なので得点はこんなもの。 ただ、想像を書くと、ホームズと同様、きっとこれ雑誌掲載が初出だよね。そうするとページの制約もあって(新潮文庫旧版で25ページ未満がほとんど)解決に至る段取りがほとんどなかったのかもしれないし、それでも、どの話も雑誌で見出しに困らない作品で(編集者はやりやすかっただろうな)、ドイルはプロだなと思わせる。 短いので、寝る前にちょこっと読むには、ちょうどいいんじゃないかな。ただし、解決は期待しないで、だけど。 |
No.3 | 7点 | 四つの署名- アーサー・コナン・ドイル | 2020/04/23 23:20 |
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長編代表作の人気投票をすれば、少し前ならば、まず「バスカヴィル家の犬」でした。最近は「恐怖の谷」の評価も高く、第1作として「緋色の研究」もあがるなか、本作は、世評はあまり高くないといえる。
でも個人的には結構好きなんですよね。 偶然の要素が強くて、ミステリ的構築度としては弱い。けれど、犯人の足取りを追っていく、探索行として面白い。こういうのなんかワクワクする。 私は古典の評価を考えるとき、「これを元にした作品は……」と考えるのだが、これにインスパイアされたと思えるかなり好きな作品があるので、この作品も点数は低くできないな。 インスパイアされたと思える作品は、御手洗ものの「ギリシャの犬」。 |
No.2 | 7点 | 緋色の研究- アーサー・コナン・ドイル | 2020/04/14 00:59 |
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今、これを新作で読んでも、評価できないけど、やはり古典としてどう評価するかですね。
私は、「ある作品を”面白い”と思い、それに元となる作品があったとしたら、元の作品に評価は移すべき」と考えているので、そんなに低くはできないです。 けど、どこまで「評価は移すべき」かは、難しい。 ホームズは、「冒険」以降の短編シリーズがあってこそ、後の評価があると思うし、とはいっても、ホームズのキャラは、ここですでに確立しているし……。 「冒険」の各話と比較して語ると……。 ミステリ的に「緋色」は、「冒険」の1話文しかないという感じ。 「緋色」は、ホームズ時代前、ディケンズetcの大長編時代をひきずっていて、キャラクター描写や因縁話など、いろいろな要素が入っている。 「冒険」は、枚数の制約から「事件とその解決」に特化したためか、無駄なくスッキリまとまった構成になって、そのため近代小説として短編ミステリの嚆矢となれたのだと思う。 では、「緋色」はつまらないかというと……。 ホームズのキャラ描写は大いにあるので、キャラ物としては、読みどころがある。 また、捜査の顛末は他作品より丁寧で、(快刀乱麻をたつというわけにいかないかわりに)ヴィクトリア朝の捜査小説の味わいがある。これは、プロファイリングなどを使った近代の捜査小説の直系の先祖ではと思うほど。クロフツの作品にも影響があるのではとも思える。 書いてるうちに、やはりひくくはできないなと思えるけど、8点はためらうので、7点。 |
No.1 | 10点 | シャーロック・ホームズの冒険- アーサー・コナン・ドイル | 2019/09/07 01:30 |
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点数は、もうこの点しかない。
古典の評価をするとき、どう評価するかは難しいですね。 読んで面白かったかどうかだけで点をつけるのもありですが、私はその作品の影響下にある作品も一緒に考えます。 (読んで面白かったかどうかだけで点をつけるのを否定するわけではなく、そういう多様な切り口の評価があつまるから、このサイトは素敵なのだと考えています。以下は私の視点の説明というだけ) A作品を読んで「面白かった」と思った、B作品を読んで「Aと一緒じゃん」と思ったとして、A作品よりB作品のほうが先行していて、面白かったポイントが同じなら、「面白かった」と思った評価は先行のB作品に与えるべきでしょう。「歴史的価値」ともニュアンスは微妙に違って、要は「”真似したほう”(後続作)への評価は、”真似されたほう”(先行作)へ振替しよう」と思っているだけなのです。 そう考えると、ホームズは後続のミステリ/名探偵設定に絶大な影響があるわけで、ホームズがなければ、今のミステリはないと思うのです。 作品で言えば、やはり「冒険」。 「緋色」「四人」だけでは、影響はなかったろうし、「思い出」以降はプラスアルファです。 最強のインフルエンサーの本書には、この点しかありえません。 個々の作品について少し。 集中好きなのは「青いガーネット」。ガチョウの足取りを追跡するテンポの良さが楽しい。次は「まだらの紐」。ラストのホームズのセリフが好き。 ついでに、自己紹介に「ホームズ生まれ」と書きましたが、そのホームズは、ポプラ社の山中版ホームスでした。好きな話は「鍵と地下鉄」「踊る人形」だったなぁ。 最後に、「冒険」の「おっさん」さんの書評、とてもいいです。私もこんな書評がかけたらなぁ。 |