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こうさん
平均点: 6.29点 書評数: 649件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.32 4点 高原のフーダニット- 有栖川有栖 2012/11/11 23:10
 何を書こうと作者の自由なんでしょうが本格作家がシリーズキャラクターを出して非ミステリ(?)を書かれるとだまされた感が強く残ります。「ミステリ夢十夜」はむしろ作者得意のエッセイ集にでも収録してもらった方が良かったと思います。
 残りの2作はまあまあですが「ミステリ夢十夜」で肩透かしを食らったので-1点で。

No.31 8点 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 2012/11/11 22:57
 作品の出来云々ではなく学生アリスシリーズを読めただけでも大満足でした。シリーズの世界観が崩れない作品だったのが良かったです。
 この短編集は新入生のアリスが江神と出会った作品からマリアが部員になるまでの9作品が時系列に沿って収録されています。「虚無への供物」や「ナインテイラーズ」のシーンなど既刊長編に合ったエピソードが入っているのが嬉しいですね。
 アリスと江神のみ登場の作品が2つありますが望月、信長を含めた4人全員登場した作品の方が好みです。
 あと孤島パズルのころはそこまで感じませんでしたがアリスが初めからマリアの事をかなり意識しているように書かれているのは過剰な読者サービスの様にも感じます。
 個人的には世界観さえ崩れなければ作品の出来はこのシリーズの場合不問ですが「4分間では短すぎる」が一番楽しめた構成でした。次点は5人全員揃ったということで「蕩尽に関する一考察」でした。
 江神シリーズあと長編1冊、短編集1冊を気長に待ちたいと思います。 

No.30 4点 真夜中の探偵- 有栖川有栖 2012/02/10 00:03
 前作は青春ミステリ的な楽しみもありましたが今作はストーリーはどんよりしていますし主人公がかわいげなく描かれているため共感しづらいです。トリックも感心するほどのものではありませんでした。伏線の回収のためストーリーは続いて行くんでしょうけど次回作を読むかは検討中です。もう少し明るいストーリーが希望です。

No.29 5点 長い廊下がある家- 有栖川有栖 2012/01/30 00:32
 まあ無難な火村シリーズ短編集だと思います。本格というか数学だと思いますがロジカル・デスゲームが一番楽しめました。表題作は中編の趣きですが個人的にはイマイチでした。
あとシリーズが進むごとにアリスと火村は年をとっていると思っていたので勝手に40代をイメージして読んでいたのでまだ34歳だったのに驚きました。いつの間にか自分が年を追い抜いてしまっていたことが少しショックでした。

No.28 5点 46番目の密室- 有栖川有栖 2009/10/18 03:36
 今にして思えば作風は地味ですが火村英生初登場の作品として無難かなと思います。「ペルシャ猫」や「ダリの繭」、「海のある奈良に死す」に比べればこういった作品世界を展開してゆく、というコンセプトに合った作品だったと思います。ただこの作品もそうですが丁寧とはいえ有栖川氏の密室は正直地味で面白みに欠けると思います。
 そろそろ江神シリーズの双頭の悪魔に匹敵する火村シリーズの傑作をできれば密室とダイイングメッセージ抜きで読みたいです。

No.27 6点 絶叫城殺人事件- 有栖川有栖 2009/05/04 01:31
 内容は一作一作違うのに同じような雰囲気の作品が集まり特にどの作品が気に入ったということはないのですが作品集全体としては割と気に入っています。国名シリーズの一部のやっつけ仕事みたいなのと比べれば全然良いと思いました。

No.26 6点 マレー鉄道の謎- 有栖川有栖 2009/05/04 01:19
 目張り密室トリックは面白みがなく類似トリックの作品もありますが密室トリックだけの作品ではないと思います。
 個人的には「双頭の悪魔」が一番好きなのですがこの作者の本領はそもそもアクロバティックなものよりも地味ですがロジックを積み上げて犯人を指摘してゆく所にあるのだと思うのでその点この作品は真相は地味ですが〇〇だから犯人は〇〇だとするロジックの積み重ねがあり有栖川作品としては成功作だと思います。
 犯人が安易に殺しすぎな点や二人目の殺人動機などは好きではありませんが全体として評価すべき作品であり本来はもっと高評価でもよい気がしました。
 自分が「ロジック」に対する面白みがもっと理解できればもっとこの作品に感動できたのかもしれません。 

No.25 5点 妃は船を沈める- 有栖川有栖 2009/05/04 00:53
 先に書かれている方の通りでこれは長編とは言えず中編+中編でしょう。
 良くも悪くも妃沙子というメインキャラクターの造形に依存した作品だと思います。
 第一部「猿の左手」は典型的な〇〇トリックのバリエーションで非常にわかりやすい作品でした。第二部「残酷な揺り籠」はロジックで暴いてゆくスタイルで悪くないと思います。
 個人的には妃沙子というキャラクターがイメージできず特に第二部は動機にもかかわってくるのでその点は不満ですがロジックで犯人を暴くスタイル自体は悪くないと思います。

No.24 5点 火村英生に捧げる犯罪- 有栖川有栖 2009/02/07 23:58
 まあ無難な短編集だと思います。軽い作品も多いですがオーソドックスなミステリを意識した作品群だと思います。
 「殺風景な部屋」はダイイングメッセージのバリエーションですが相変わらずこの作者もクイーン同様ダイイングメッセージにとらわれているなあと思いました。従来の作品より短いのでさっと読めますし話の落ちとしては従来のより悪くないかもしれません。
 他作品もまあまあでしたが純粋なパズラー作品というより落語の落ちか小噺の様な作品が多いのでたまにはがちがちのパズラー短編集を期待したいです。

No.23 4点 壁抜け男の謎- 有栖川有栖 2009/01/03 22:53
 「ジュリエットの悲鳴 」以来のノンシリーズものですがまともなミステリは2~3作のみです。
 有栖川有栖ファンなら楽しめるかもしれませんがミステリを期待すると正直いまいちです。 

No.22 6点 乱鴉の島- 有栖川有栖 2009/01/03 02:53
 CC物ですが別に連続殺人が次々に起こるわけでもなく、被害者候補である各キャラクターの描写もそれほど強い印象もなく印象としては地味でした。
 殺人動機がわからなくてもロジックで犯人が絞れることを重視していると思われますが二人目の殺人については個人的にはロジックもあったものではないと思います。
 また「島に集まった目的」も最後まで興味を引っ張りますが最後に明かされても正直納得いきかねるものです。作者が書きたいのであれば自由なのでしょうがもう少し受け入れやすい内容の方が読後感が良くなると思うのでその点も残念です。
 どうしても有栖川有栖のCC物だと過大な期待をしてしまいますが期待した内容と違った、というのが正直なところです。

No.21 7点 ロシア紅茶の謎- 有栖川有栖 2008/12/23 23:34
この頃の作品はロジカルなつくりの短編が多かったなあと今更ながら思います。「屋根裏の散歩者」「ロシア紅茶の謎」が個人的には気に入っています。
 「八角形の罠」は舞台用の脚本のノベライゼーションの様ですが確かに舞台映えしそうな内容ですが犯行動機、トリックは大したことがなかったです。
 しかし全体としては今のところ国名シリーズ短編集では一番良いと思います。

No.20 6点 幽霊刑事- 有栖川有栖 2008/12/22 00:08
 ストーリーありきな作品だと思います。本格ミステリとしては微妙ですが最後まで読ませる力を感じます。
 主人公とフィアンセの須磨子の間の言葉遊び、須磨子が銃の名手であることなどはこの作品を成立させるのには必要なプロットでありうまく考えているかな、と思います。
 切れ味は薄いですがまあまあ楽しめました。

No.19 7点 朱色の研究- 有栖川有栖 2008/12/21 23:59
 ネタバレあります。
 作風というかストーリーはしみじみとして良かったと思いますがミステリとしてはまあまあな印象でした。
 動機については有栖川作品らしいのでそんなにひっかかりませんがビデオから得られる推理も証拠としては疑問です。犯人の行動(犯行ではなく)も良く見られる手ですがあまり好きではありません。
 個人的には犯人が容疑者圏外になるためいったんつかまる、あるいは自分の容疑を濃厚にする、というのは良くある手ですし作品外読者に見せる手法としてはいいですがリアリティがなく個人的には不自然な感じがどうしてもしてしまい好きになれません。
 全体としてもミステリとしての出来というより本格としての出来はそれほど評価できないかな、と思いますが作風は他の火村作品よりは気に入っています。

No.18 5点 英国庭園の謎- 有栖川有栖 2008/12/08 01:04
 クイズ、パズルの様な作品が多くさっと読める読みやすさは相変わらずですが全体としては低調だと思います。個人的には「竜胆紅一の疑惑」のロジックはまあまあ好きです。

No.17 6点 暗い宿- 有栖川有栖 2008/12/04 00:04
 これも国名シリーズではありませんが悪くなかったです。「201号の災厄」のロジック(?)は割と好きです。アシモフの黒後家蜘蛛の会の「明白な要素」に少し通ずるところがあるかな、と読んだときに思った覚えがあります。「ホテル・ラフレシア」はミステリではないのかもしれませんが作品としてありかなと思います。
 大がかりなトリックというよりは「一ひねりのみ」の作品が多いとは思いますが楽しめました。全体としての雰囲気が統一感があるのもいいと思います。ただ地味な作風ではありますが。

No.16 6点 白い兎が逃げる- 有栖川有栖 2008/12/03 23:57
 国名シリーズの一部より断然出来が良いと思いました。「不在の証明」も「地下室の処刑」も小さいロジックですが悪くないと思います。「比類のない神々しいような瞬間」はダイイングメッセージは相変わらず良くないと思います。ラストも勘のいい人でも察するのが難しく正直賞味期限切れかなと思います。表題作は個人的に苦手なアリバイトリック物でもありますが楽しめる仕上がりになっていたと思います。

No.15 4点 ジュリエットの悲鳴- 有栖川有栖 2008/11/25 22:52
 ミステリではない作品も多く阿刀田嵩風な作品も目につきました。個人的には「登竜門が多すぎる」が一番面白かった覚えがあります。逆に表題作が一番つまらなかった印象があります。あまり深く考えずさっと読める作品集だと思います。 

No.14 6点 スイス時計の謎- 有栖川有栖 2008/11/24 02:31
 「あるYの悲劇」は個人的には好きではありません。クイーンもそうですが有栖川有栖もダイイングメッセージの作品は一貫して出来が悪いと思います。(月光ゲームも作品としては好きですがダイイングメッセージの部分はあまり評価していません)有栖川氏もクイーンのダイイングメッセージには批判的だった印象がありますがそれにしてはそういう作品が多いのが不思議です。
 「スイス時計」は展開されているロジックは地味だと思いますが良くできていると思います。ただ現実的には証拠として弱いと思いますし反論可能だとは思いますがこういう世界で火村作品は展開してほしいです。 

No.13 5点 ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 2008/11/24 02:21
 短編集としてオーソドックスな仕上がりだと思います。「蝶々がはばたく」の余韻のある筆致が個人的には一番気に入っています。

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こうさん
ひとこと
 私の採点で10点は単なる好みです。10~20年前の初読時の印象で不当に高いのもありますが気にしないでください。トリックものは古臭くても昔初めて触れたトリックだったら高得点の傾向が高いです。
 ガイド...
好きな作家
泡坂妻夫、有栖川有栖、東野圭吾、岡島二人、梶龍雄 
採点傾向
平均点: 6.29点   採点数: 649件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(60)
有栖川有栖(32)
岡嶋二人(24)
折原一(22)
連城三紀彦(20)
泡坂妻夫(19)
石持浅海(17)
梶龍雄(17)
法月綸太郎(12)
アガサ・クリスティー(11)