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[ 本格/新本格 ]
ダイヤル7をまわす時
泡坂妻夫 出版月: 1985年12月 平均: 5.55点 書評数: 11件

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光文社
1985年12月

光文社
1990年04月

東京創元社
2023年02月

No.11 6点 zuso 2024/01/15 22:59
元刑事が語り手となる犯人当て、貴重なトランプに飾られた死体の謎、同じ名前に惹かれ続ける女性、アトリエの主が殺された事件など、様々な謎をめぐる常識を一段も二弾も超越した論理展開に魅了される。
思わぬ角度からの衝撃は、いまだに色褪せていない。

No.10 6点 まさむね 2023/11/01 21:26
 ノンシリーズの短編集。作者の他の短編集と比較すれば一段落ちるという印象はありますが、十分に楽しめる作品が揃っています。
①ダイヤル7:懸賞つき犯人あて小説として発表された作品。犯人あて小説としてもしっかりしているが、小説全体の仕掛けも見事。
②芍薬に孔雀:作者らしい作品で楽しく読ませてもらったものの、犯人の行動には合理性がない。
③飛んでくる声:この短編集の中では目立たないかも。
④可愛い動機:松本清張の「疑惑」と同じ題材を扱いながらも、結末の違いにニヤリ。
⑤金津の切符:倒叙もの。ラストが洒落ている。
⑥広重好み:唯一、殺人が起きない作品。お洒落な好編。
⑦青泉さん:謎の転換の妙。

No.9 5点 nukkam 2023/03/16 22:44
(ネタバレなしです) 「ダイヤル7」(1979年)から「青泉さん」(1985年)までの7つの短編を収めて1985年に出版された短編集です。どれも本格派推理小説ながらも微妙に作風が異なっているのはこの作者らしく、人によっては捉えどころがないと感じるかもしれません。「ダイヤル7」は懸賞付き犯人当て小説(応募2419人正解182人)として書かれただけあってもっとも正統派の本格派で、容疑者を1人ずつ犯人候補から外していく推理を楽しめます。個人的に1番お気に入りですが、このような明快な謎解きが泡坂らしいかというとちょっと違うかも。どこかサスペンス映画「裏窓」(1954年)を連想させる「飛んでくる声」(1981年)は対照的に幻想的な雰囲気の作品です。「青泉さん」は犯人当てとしては失敗作レベルなのですが、事件解決後に明かされる被害者の秘密が印象的です。

No.8 6点 虫暮部 2019/09/30 10:48
 ミステリ要素のアイデアより小説としての語り口の巧みさで読ませる作品集。こういうものはファンこそ高く評価しなくちゃならないのだろうが、地味な短編ばかり集めたんだなぁと言う読後感。構図の逆転が一番鮮やかに見える「青泉さん」が良かった。
 「芍薬に孔雀」のカムフラージュは(どのカードが重要かは明白なのだから)無意味。と言うより、そのまま放置すれば〝意味不明だが殺人とは無関係”と判断される可能性もあったのに、カムフラージュすることで〝あのカードは犯人がわざわざカムフラージュするほど重要だ”とメッセージを送ってしまっている。

No.7 5点 ボナンザ 2017/05/17 21:53
標準的な出来の短編集ながら、随所でおっと思わせるのは流石。

No.6 5点 kanamori 2010/08/16 18:13
ノン・シリーズのミステリ短編集。
ヴァラエティに富む内容ですが、寄せ集めという感が無きにしも非ず。
本格的な犯人当てにヒネリを加えた「ダイヤル7をまわす時」と、女性心理の日常の謎「広重好み」の2編はテイストが全然異なりますが、ともに印象に残りました。

No.5 6点 2009/10/21 21:32
最初の『ダイヤル7』はよくできた正統派の謎解きで、まあ意外性演出パターンどおりとも言えるかもしれませんが、犯人を意外な手がかりから指摘してくれた後、さらに叙述形式を利用したひねりを用意していてサービス度充分。次の『芍薬に孔雀』も叙述形式というか語り口に工夫があり、さらにマジシャンとしての知識が盛り込まれた作品ですが、ちょっと懲りすぎで不自然になった感じがします。
しかしそれよりTetchyさんも挙げられている3作の雰囲気がいいですね。特に『青泉さん』のチェスタトン風な逆転の論理に滋味を加えた匙かげんがいかにも泡坂妻夫らしく、最も気に入っています。

No.4 5点 江守森江 2009/10/06 09:26
ノン・シリーズな短編集。
問題編で読者挑戦する「ダイヤル7」も推理の本筋以外から犯人を察せ、その為に最後の捻りも驚きが薄い。
前半3編にフーダニットを配すミスリードで以降の作品で小さな驚きをもたらす構成は楽しめた。
しかし、どの作品もそれ自体が取り立てて褒める程ではないので短編集としては水準レベル。
取り分け正統派フーダニットでは作者の持ち味は出ないと感じた。

No.3 6点 こう 2008/07/02 23:16
 あまり統一感のない短編集です。チェスタトン風ロジック炸裂というほどではないですが無難な短編集だと思います。
 広重好みが一番当てやすい作品かと思います。ダイヤル7はラストの一ひねりが面白いです。

No.2 6点 なの 2007/12/21 21:23
こじんまりとした作品集です。
表題作の最後のサプライズは流石。

No.1 5点 Tetchy 2007/10/16 10:38
泡坂氏にしては普通の短編集。
とはいえ、「可愛い動機」、「広重好み」と「青泉さん」はお気に入りです。


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