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[ 本格/新本格 ]
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
ヨギ ガンジーシリーズ
泡坂妻夫 出版月: 1987年07月 平均: 7.57点 書評数: 70件

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新潮社
1987年07月

No.70 7点 みりん 2023/07/23 15:39
おおおおこれはすごいな 泡坂妻夫は変態だ。似たような趣向の作品を読んだことある(当然刊行年はしあわせの書の方が先)けれど、こちらの作品の方が大変な労力を必要としそう、たぶん。
小説として面白いかは置いといて、作者の変態的なこだわりに敬意を表してこの点数。



【ネタバレあり】


序盤はまったくと言っていいほど文章が頭に入ってこなくてこの作家とは致命的に合わないかもしれないと思っていたら、それはこの作品のギミックによるものだったのかもしれません。

No.69 8点 ぷちレコード 2023/07/16 22:12
ヨガと奇術の達人ヨギガンジーが登場するシリーズの第一作。ある宗教団体が発行する、小冊子「しあわせの書」を偶然手に入れたことから、ガンジーとその仲間は教祖継承問題に巻き込まれていく。読者はユーモアたっぷりの賑やかな謎解きを楽しむうちに、作者が用意したとんでもない企みに驚くことになる。
家業の紋章上絵師を継いだ職人であるうえ、マジシャンとしても有名。直木賞受賞作の「蔭桔梗」のようにしっとりとした作品を発表する一方、こうした仕掛けのある作品を丁寧に組み立てていくのも得意と多才。
本書のトリックは紙の本ならではのもの。普段は本を読まない人にも、こんな風に本で遊ぶことが出来ると知ってもらえたら嬉しい。

No.68 9点 HORNET 2022/09/19 21:00
 各オールタイムベストでいつも上位にランキングされるわけがわかった。
 うーん…これは…すごい。空前絶後、唯一無二の仕掛け。

 「ネタばれあり」とされている本サイトでも、これまでの評者の皆さんが極力気を遣われ、言明を避けているのがよくわかる…
 声を上げて感嘆します。
 脱帽です。

No.67 7点 雪の日 2022/06/20 14:04
この作者は頭がおかしい(いい意味で)と思いました。
普段からミステリを読まない人だと2倍楽しめると思います。
それにしてもやばいっすわ

No.66 9点 バード 2021/02/27 19:27
独特な魅力を持つキャラクター達がテンポ良く話を転がしており、肝の仕掛けを味わう前でも、結構良い本だと感じていた。そんな状態で最後に明かされた衝撃の仕掛け。驚愕のあまり、思わず一人声を上げてしまいました(笑)。

こういう遊び心満載の面白本に出会えるのだから、ミステリファンはしあわせだ。未読の方はぜひネタバレ前に読んで、自分同様しあわせを受け取ってほしい。

No.65 8点 Kingscorss 2020/08/26 23:21
これはすごい!歴史上唯一無二のトリックではないだろうか?真似しようとして思いついても実際やろうとは絶対に思わない。なぜなら死ぬほどの手間と労力がかかるからだ。

この本の醍醐味は最後まで読まないと味わえない。道中のミステリー部分はさほど目新しいものでもなく、”ページ数が短い事も手伝って”ふーん…可もなく不可もなくかな程度であっという間に読了してしまう。最後も特に大どんでん返しでもない。ただ親切にも仕掛けを教えてもらえるだけである。けど、最初はなんのことか理解できない。しばらくして、え?もしかしてそういうこと?と、確認すると。。。

( ゚д゚)ウワァァァああああああああああああああああ!!!!!

となる。気持ち悪い。トリックがエグすぎて本当に気持ち悪い。ある意味知りたくなかったほど気持ち悪い。例えは悪いが、よくある?会社でお茶を部下のOLに頼んでたけど、実は嫌われてて雑巾の絞り汁をこっそり入れられてたのをそのOLが退職した後で知ったときのような衝撃だ。この仕掛に全く気づかず最後まで読んでしまった自分がなんと間抜けなこと… 天国で泡坂妻夫さんはさぞニヤニヤしてることでしょう。

もう一度言わせてください。小説としては失礼ですがそこまで面白味もないんです。本当、普通のミステリー小説。ただ、最後まで読んでこの仕掛けを知ったときのあの感情(感嘆か嫌悪かは置いといて)を是非味わってください。マジシャンでもあられた泡坂妻夫さんしかできない唯一無二の仕掛けです。

もし、もう一つの仕掛けの方も施された限定100冊の特別版とかあるなら10点でした。流石にそこまでは無理だったか… 残念…

No.64 7点 レッドキング 2020/05/24 20:44
「イニシエーションラブ」も、「え? おおお!」だったが、これも話が終わって・・それ自体では3~4点かな・・頁を戻して、「え?・・うわあ!」だった。
こんな驚嘆すべき作業にも、これぽっちのオマケ点数加算で済まされてしまう作家に心底敬意を捧げたい。

No.63 9点 mediocrity 2019/03/03 04:05
この本の仕掛けは、無理に解こうとしないで最後まで読む方が「しあわせ」な気がする。
ミステリファンなら解きたいと思うだろうし、そんなに難しいわけでもないから10分も考えれば多くの人がわかってしまうだろうけど、解けた時の喜びよりも、知らずに事実を知らされた時の驚きの方が「しあわせ」だと思うから。
ストーリー自体は、シリーズものにありがちな、前の本を読んでいないと魅力半減みたいなこともなく楽しく読めました。凄みはないけど丁寧に書かれた作品です。
作者だけでなく編集者の方にも頭が下がりますが、一つだけ文句言うとすれば、解説者空気読めや!てことでしょうか。

No.62 4点 take5 2019/02/22 23:14
私自分ではそれほど読解力がないとは
思わないのですが、数十頁読んで珍しく
投げてしまいまして、合いませんでした。
それで、最終章だけ読んで仕掛けを確認した訳です。
文章が流麗でないと思ったのは、
仕掛けも絡んでいるのでしょうか。
高評価の方には申し訳ありませんが。

No.61 7点 好兵衛 2018/10/27 18:59
点数をつけるのに、非常に悩む…

ストーリーも、一冊の本としても
とても面白かったです。表紙も好き。分厚くないのもいい。
とても、上手くまとまっていますね。
個人的には、世界観(うさんくさい宗教もの)が好きなので
お話も、トリックも楽しめました。


↓ここから、ネタバレです____________________________

本の仕掛けは、読んだあと、兄弟に指摘されるまで
まっっっったく、気付きませんでした。凄い。
作者がもと、マジシャンだというのが、頷ける。
人と違った、斜め上の、見たことない小説だと思います。

だれか、食べた人いますか?

No.60 8点 虫暮部 2016/09/05 12:06
 この本を参考にして何度か断食の行を試みていますが、毎回2~3日で挫折してしまうのです。

No.59 8点 sophia 2016/05/31 22:40
内容が凄いわけではないのですが、これは凄い。

No.58 8点 斎藤警部 2016/05/09 21:27
ストーリーそのものはね、別に詰まらなかぁないけど読まなくてもいっかな人生は短いし、
ってなくらい。
もちろん、例のアレはね、大したもんだと思いますよ、
マジックそのものである基本トリック案出もさる事ながら、
それを実行に移す意志力、完遂させる技倆、そして期待に応えた完成度、こりゃあ、驚きですよね。
短いし、読みやすいから、別段苦も無く鮮やかに騙される体験が出来ますよ。お試しを。

No.57 6点 パンやん 2016/04/15 15:43
結構な高評価なので挑みましたが、ミステリーとしては平凡ですよね。この本自体にかけられたトリックですが、確かに工夫、労力、アイディアには脱帽ですが、ほぼそれのみの作品といっていい。ヨギシリーズの他作品を読んでいたら、もっと楽しめた?

No.56 6点 風桜青紫 2016/03/01 01:53
文字にかける執拗ぶりは後続の倉阪鬼一郎ほどではな い(紙とワープロの違いはあれど)が、初読ならほとんどの人がびっくりするトリックだろう。しかし、個人的には、それ以上に、どたばたギャグ小説としてこの作品を楽しんだ。ヤセールみたいな小ネタ、ガンジー先生の飄々としたキャラクター、泡坂作品は肩の力を抜いて読めるのがいいのです。

No.55 7点 あびびび 2016/02/11 20:25
ずっと気になっていた本。予備知識が膨らんで、読む前にこの小冊を10分ほど調べた。表紙、裏表紙、作者紹介、ノンブル、他隅々まで…。しかし、どこにも異常は見られなかった。しかし、なおかつ、どこかに仕掛けがあるのだろうと、物語を読んでいる最中にも表、裏と調べた。

わずか240ページ余りの小説である。読んでいるうちに仕掛けが判明した。凄い…と思った。マジシャンが人々を驚かすには、それだけの努力と時間が必要だと思った。しかし、しかしである。

自分は、この仕掛けが犯人に直結するものだと思っていた。その分、期待はずれだったが、と言って、低い点にするべきではないと思った。ストーリー自体、水準以上あると感じたからだ。

この物語がもっと重厚で謎が深く、上下の文庫だったら、どのような展開になっていたのだろう(笑)

No.54 7点 mini 2015/02/23 09:53
  明日24日に、河出書房からムック形式の
「文藝別冊 泡坂妻夫」が刊行予定
さらにこのムックのシリーズとしては、明日24日
に引き続いて26日には「谷崎潤一郎」も予定されている

  「文藝別冊」を御存知だろうか、河出書房が出しているムック本で
一般的な芸術分野からロックバンドまでサブカルチャーの総本山みたいだ
そのマニアックなラインナップは「文藝別冊」
という書名から受ける文芸専門書な印象とはちょっと違う

  ”泡坂妻夫”の総特集としてはムック本なので値段も手頃
北村氏×法月氏の対談や綾辻氏の寄稿なども載っているらしい
宣伝文句にも「しあわせの書」で再ブレイクした”泡坂妻夫”
とあるので長年積読のままだったのを読んでみた

  「しあわせの書」は新潮文庫版で200数十頁と薄手の本である
いや長丁場でこれ書くのはきついでしょう(笑)
物語の内容よりも、これが話題になるのは「しあわせの書」
というこの本自体に仕掛けられた趣向であろう

  ”仕掛け”ばかりが俎上に上げられがちだが、私は内容もなかなか充実していると思った
ある登場人物の正体など、古いスリラー小説などによくある手法だけど上手く出来ている
こうした内容の充実があっての上なので、単なる”仕掛け”
だけが目立つという事も無く楽しめた

  ”トリック”という意味では、物語中にある断食会でのトリックの方は流石に途中で気付いてしまった
かなり伏線がサービスされているので、気付いた方も多いでしょう
「しあわせの書」の出版契約を思い出して、これはこういう”トリック”
以外には考えられないと思った

  「亜愛一郎」ものの一部の短編しかこれまで読んだことが無かったので
未読の「乱れからくり」や「11枚のトランプ」とかも機会が有ったら読んでみたい
もちろんやはり未読の第2集以降の「亜愛一郎」
シリーズ短編も含めてですが

No.53 8点 谷山 2014/08/31 01:54
内容としてはまあ普通かなと思いますが、これほどの仕掛けを軽く見る訳にはいきません。
ページ数が少ない割りにまとまっていてしかも読みやすいので人に勧め易いのもポイント

No.52 8点 ボナンザ 2014/04/07 16:00
これほど1パーセントのひらめきと99パーセントの努力でできている作品も少ない。
内容云々以前にこの仕掛けだけで本書の価値は無限である。

No.51 7点 ミステリ初心者 2014/04/05 18:37
若干のネタバレがあります

 TVドラマの"トリック"のような雰囲気だと思いました。 ドラマのトリックのファンなので、楽しめました。 
 ヨギガンジーは、表紙の絵より真面目で知的?でした。表紙の絵が気に入って買ったんですが。

 読心術のカラクリは気づきませんでした。 これって、大変だったんじゃないのかな!
 読了後、もしかして食べれる本なんじゃ・・・?とか一瞬思いました。


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