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[ 本格/新本格 ]
高原のフーダニット
作家アリス&火村シリーズ
有栖川有栖 出版月: 2012年03月 平均: 4.82点 書評数: 11件

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徳間書店
2012年03月

徳間書店
2014年11月

No.11 5点 測量ボ-イ 2021/04/18 13:26
表題作より、「オノコロ島・・」の方が印象に残りました。
既視感があまりないトリックです。

No.10 5点 ミステリ初心者 2019/07/09 19:07
ネタバレをしています。

 短編2つ、ショートショート1つが収録されていました。

・オノゴロ島のラプソティ
 作中のアリスの"叙述トリック"への思い(?)が面白かったです。メイントリックはまったく見当もつきませんでした。三毛猫ホームズはヒントなのか(笑)。主観のアリスも読者も同時に驚き、なおかつ文に嘘は書かれていません。がメイントリックが若干のバカミス的?な大掛かりなものでした。

・ミステリ夢十夜
 夢の国の人形の中に入っていてアリバイが言えない容疑者や、迷路すぎる館がおもしろかったです。味覚障害者のあつまる毒殺は、なにやら長編に使っても面白そうな話でした。第六夜は、私のパープリンな脳ではいまいち理解できませんでした。

・高原のフーダニット
 殺しあった双子のうち、どちらがどちらか見分けられたものが犯人ということはわかったのですが、バードウォッチングの機材の性能やどの程度遠くをみられるのか(雨上がりなら湿度が高くあまり遠くまで見られないのでは?)が想像できませんでした。フーダニットは好きですが、この作品はいまいち。
 ※今調べたら、雨上がりのほうが良く見えるらしいです(笑)。失礼しました。

No.9 5点 HORNET 2018/05/12 20:13
 基本的に、本格路線の純粋なミステリを書き続ける氏のファンなので、余程のことがない限り4点以下にはならないし、本作品も普通によかった。
 「ミステリ夢十夜」は、思いついた小ネタを集めたショートショート集のようなものだが、なかなか楽しめた。「こんなアリバイ証明拒否はイヤだ!」「こんなクローズド・サークルはイヤだ!」みたいなヤツがあって、笑えたし、結構「なるほどな」とも思えた。
 表題作は、ちょっと火村の犯人特定の過程に飛びがある気がして、すっきり来ない部分もあったが、王道のフーダニットという点で推理を巡らせる楽しさはあった。

No.8 5点 ボンボン 2016/06/27 18:19
「オノコロ島ラプソディ」と「高原のフーダニット」は、ともに遠出をした先、自然豊かな地での事件捜査の話。そして2つともトリックが嘘みたいにバカバカしい。
それでも、「オノコロ~」は登場人物それぞれに関する挿話が効いているし、脱力系の笑いも楽しめた。火村に謎解きの閃きをもたらすアリスの調査報告が可笑しい。
「高原の~」の火村は、珍しく感傷的で変な感じがした。火村が死んだ者にこんなにも心を寄せる話は他にあっただろうか。
そして、この2編の間に挟まれた問題の「ミステリ夢十夜」。あまり好意的に見られていないようなので、少し緊張して読んだが、私としては、かなり楽しめた。皮肉っぽく、自虐的な含みがあっていい。
火村シリーズは、本当に汎用性が高いというか、自由だ。掌編、短編、中編、長編。日常、イベント、旅先。陰鬱にも、爽やかにも、ギャグにも、ホラー風味にもなる。どうやっても火村とアリス、そして ”本格愛” が揺らがないので、相当趣向が変わっていても、今回はこう来たか、と認めて読むことができるのだと思う。

No.7 5点 青い車 2016/04/03 15:40
以下、各話の感想です。
①『オノコロ島ラプソディ』 冒頭で語られる「叙述トリックについて」が真相にリンクしていますが、純然たる叙述トリックではない奇妙なひねりが加わった作品。どこか亜愛一郎シリーズを思い出させるロジックです。
②『ミステリ夢十夜』 本格的な短篇にはできないもののユニークな奇想を大放出したようなショート・ショート集という印象。個人的には、第八夜のアンチ・ミステリーを思わせる館の設定が記憶に残りました。
③『高原のフーダニット』 田舎の牧歌的な雰囲気を活かしきれていないのがやや不満です。また、火村の推理は「こうすれば可能」の域を出ず、他の方法の存在を完全に消去していません。大きな粗はないもののパワー不足に感じました。

 ③が蠱惑的なタイトルの割には小粒なのが残念。残るふたつはなかなか楽しいものの、メインディッシュではなくあくまでおいしい前菜というべきヴォリューム感です。必読レベルの作品がないため採点は少し厳しめです。

No.6 6点 makomako 2014/12/31 10:19
 3つの中編小説(ミステリ夢十夜は短編の集まりかも)、いずれも個性が違ってそれなりに楽しめました。
 作者の中編、短編は一発芸のようなトリックで成り立つことが多いので、トリックを考えるのも大変なのでしょう。ミステリ夢十夜は考え出したトリックがどうしても小説とするのには無理があるものをまとめたみたいで、結構面白かった。
 作者には幻想ものでないまともな?長編を望みたいのですが。できれば学生アリスで。

No.5 4点 まさむね 2013/01/06 16:01
①オノコロ島ラプソディ
 思いっきり羽目を外した作品。非常にバカらしいトリックなのですが,最終的にはその伏線(?)にニヤリとさせられたので,まぁ良しとしましょう。
②ミステリ夢十夜
 掌編10連発。メタ的掌編と言えるのもありますが,結局は何をしたかったのか疑問。
③高原のフーダニット
 最も「らしい」作品なのでしょうが,犯人特定のロジックには,個人的に異議アリ。いくら何でもアレでは見えないと思うなぁ…。

No.4 4点 こう 2012/11/11 23:10
 何を書こうと作者の自由なんでしょうが本格作家がシリーズキャラクターを出して非ミステリ(?)を書かれるとだまされた感が強く残ります。「ミステリ夢十夜」はむしろ作者得意のエッセイ集にでも収録してもらった方が良かったと思います。
 残りの2作はまあまあですが「ミステリ夢十夜」で肩透かしを食らったので-1点で。

No.3 4点 白い風 2012/09/19 19:36
「オノコロ島ラプソディ」「ミステリ夢十夜」「高原のフーダニット」の3編の短編集ですね。
う~ん、どれもイマイチだった・・・。
特に夏目漱石の『夢十夜』のミステリ版を目論んだ「ミステリ夢十夜」は意味不明だった(爆)

No.2 5点 虫暮部 2012/05/04 11:06
 「オノコロ島ラプソディ」……馬鹿みたいなトリックだが、その理由の、“嘘はつかせないから”と共犯者を説得する、という発想はリアルだと思った。“人恋しいから、金を貸した”との意見も含蓄に富む。
 尚、アリスを驚かせた松本ちえこの「ぼく」はYouTubeで探したら聴けました。

 「高原のフーダニット」……双子の名前が紛らわしい。犯人の行動があまりに即断即決&怖いもの知らずな気もするが、そこはまぁ人それぞれ?

No.1 5点 kanamori 2012/04/29 21:12
火村&作家アリス・シリーズの中編集。ただし、「ミステリ夢十夜」は、箸休め的な連作掌編集で、個人的には作者に求めるような内容のものではなかった。
淡路島の観光案内とアリバイ崩しの「オノコロ島ラプソディ」が面白かった。最後に明かされるアリバイ・トリックはバカバカしい限りですが、自虐ネタを交えた軽妙なユーモアが物語を包んでいるため許容できてしまう。
閉された高原の村を舞台にした表題作はオーソドックスな犯人当てですが、これは凡作かな。現場は日が当らず暗いはずで、あの方法では無理なように思う。


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