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[ 本格/新本格 ]
妖女のねむり
泡坂妻夫 出版月: 1983年07月 平均: 5.62点 書評数: 8件

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新潮社
1983年07月

新潮社
1986年01月

角川春樹事務所
1999年04月

東京創元社
2010年06月

No.8 7点 虫暮部 2017/11/06 10:15
 精緻に組み上げられた幻想的なロマンスとしての評価は出来る反面、愛読者の贔屓目で見ても偶然に頼り過ぎではある。これだけネタがあれば、私でもその気になるだろう。ところでラストがあれでは、死んだ彼女は何だったんだと淋しくなった。

No.7 5点 ボナンザ 2014/09/10 19:14
泡坂流幻想ミステリ。ただ、湖底のまつり以上に強引な部分もある。
それでもこの長さを感じさせないのが氏の魔力だと思う。

No.6 7点 蟷螂の斧 2013/12/31 09:59
”わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。十五世紀のフィレンツェで巡りあったジュリアーノとシモネッタは悲恋に終わり、西原牧湖だった二十二年前のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの。今度こそ幸せになりましょう…。初対面のはずが深いところで響き合う真一と麻芸。前世をたどる二人が解き明かしていく秘められた事実とは。”・・・輪廻転生という幻想的な恋物語でもあるが、物語全体に仕掛けられた罠を評価したい。心中事件や殺人事件にかかるトリックは、二次的要素に過ぎないのではないかと思う。このような物語をよく思いついたものと感心する。作中に登場する作品「春」(ボッティチェリ~作中ではボッティチェルリ)は好きな絵の一つで服部まゆみ氏の「この闇と光」にも登場する。作品「シモネッタ」(当時の絶世の美女?~ダビンチも描いている)がヒロイン麻芸に似ていることから物語は始まる。シモネッタが「春」の女神フローラであるという説を作者は取っているが、諸説紛々である。この辺もミステリアスであります。

No.5 7点 isurrender 2011/06/06 17:54
中盤までは、非現実的な展開だったのに、最終的にはきちんと論理的な解決を果たしている
決してファンタジーな解決ではないことが巧い

No.4 6点 kanamori 2010/08/15 20:45
「湖底のまつり」のテイストをさらに推し進めた感のある幻想風ミステリで、テーマは輪廻転生です。
主人公格の男女ふたりとも前世の記憶を持っているという前提が魅力的で、ミステリである以上、合理的に解決できるのかという興味で物語に引き込まれました。
解決は、多少強引ではありますが、いくつかの伏線がきれいに回収される様は圧巻で、結末も余韻が残る騙し絵ミステリでした。

No.3 5点 2009/07/20 17:43
元々紋章上絵師だった作者が自己の芸術観の一端を披露した作品ともとれますが、やはり疑問はあります。すべては「本物」だという発想はいいと思うのですが、出来上がったその「本物」の良し悪しは作者の思い込み如何にかかわらず、あくまでその個人の才能およびその時の運(うまくいくかどうか)によるものでしょう。
また全体の構造は、超自然的なというより宗教的な不思議さを見せていく手際がさすがに見事で、おもしろかったのですが、毒殺トリックは不満でした。犯人の立場から見ると、準備が難しい上、その方法を使うことによって自分に嫌疑がかからなくなるという保証もなく、あまりに不自然なのです。

No.2 5点 こう 2008/06/08 20:23
 泡坂妻夫第7長編は幻想めいた作風が強くでています。
犯人の動機は狂人だからとしかいいようがないのと幻想的なストーリーを実現させるための真相でありトリックであり無理があるかな、と思いました。
 泡坂作品は好きですが幻想的ミステリは苦手なので評価は低めです。

No.1 3点 Tetchy 2007/11/14 17:39
泡坂特有の幻想めいたミステリなのだが、どうも私にはこれが合わない。
非現実な設定をそのまま受け入れて読み進むことがなぜか出来ない。
最後も強引だと思った。


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